電車に乗ると、車内での吊り広告に次のようなものがありました。
北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めるとともに,国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し,その抑止を図ることを目的として,平成18年6月に、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が施行され,国及び地方公共団体の責務等が定められるとともに,毎年12月10日から同月16日までを「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」とすることとされました。
拉致問題は,我が国の喫緊の国民的課題であり,この解決を始めとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が,国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中,この問題についての関心と認識を深めていくことが大切です。
ロゴス・ミニストリーのブログにおいて政治的になるのはあまりよくないとは思いますが、私は上の人権意識に対する啓発には、全面的な支持を与えたいと思います。
同じように、クリスマス前の人権週間ということで、ある牧師さんが以下の意見を述べておられます。
北朝鮮による拉致は批判されて当然でしょうが、まるで自国がそのようなことをしたことがないかのような、認識で批判することがあってはならないでしょう。
強制連行の有無とは関係なく、朝鮮半島から来た人々や被差別部落出身者、アイヌ民族などが、炭鉱やトンネル工事等で、奴隷労働を強いられ、死ねばその場に埋められていくような現実があったのです。こうした目を被いたくなるような罪や悪の現実を認めることから、本当の意味での人権尊重や国際交流が始まるのだろうと思います。
http://blog.chiisana.org/?eid=1408134
この方の純粋な思い、過去に悲惨な目に遭い、日本がその加害者だったことに対する悔恨の思いからお書きになったことは、十分に理解できます。けれども、私はそこに「北朝鮮政府による拉致」を、過去の日本が行ったことに当てはめながら語る、その論理に対しては断固として反対します。
日本が確かに、朝鮮半島の多くの人々に対して酷い扱いを過去に行ってきました。けれども、現在の北朝鮮の政権が、朝鮮民族を代表しているのでしょうか?ここが一番問題です。私は、過去に日本が行った過ちがあるからこそ、北朝鮮政権が行っているあらゆる人権侵害行為に強硬に対抗しなければならないと考えます。
北朝鮮の人権侵害は、日本国民のみならず、その国の中にいる北朝鮮の人々を被害者としているのです。そして過去に日本が犯したことについては、私たちはその過去を変えることはできません。けれどもその政権は現在進行形で、かつて日本が行ったこと以上の、言語に絶するおぞましい虐待・虐殺を行っているのです。
かつてユダヤ人に対して行ったナチス、そして自国民に対して行ったスターリンと同じことを、彼らは行っています。
これを傍観していることこそが、まさに無反省の態度であり、消極的にその人権侵害に加担していることに他ならないのです!
日本国民の中には、拉致被害者のみならず「帰国者」がいるのです。それは戦後、北朝鮮に帰国する運動を日本政府が推進し、そしてマスコミは朝日から産経まで、政党は共産党から自民党まで、みながそれを支援しました。その背後には、「日本が戦時中に朝鮮の人々に悪いことをした」という贖罪意識があったことは言うまでもありません。そして、日本において戦後も苦しんでいた在日朝鮮人でありますが、そのキャンペーンによって日本人妻らとともに北朝鮮に移りました。そこで見たのは楽園ではなく地獄だったのです!これが犯罪加担でなくて、何なのでしょうか。
その、「日本が過去に行ったことによって、今の北朝鮮の人権侵害への批判の手を緩める」あらゆる行為に対して、私は、数多く北朝鮮内で苦しみ、死んでいった在日朝鮮人の方々、日本人妻の方々、そしてその子息のことを思って断固として反対します!(参照ページ)
朝鮮民族を代表する機関は、北朝鮮政権や総連だけではありません。韓国政府そして民団があるのです。韓国政府は今でも、昨年起こった延坪島への砲撃にあるように、北朝鮮の冒険主義に対峙しています。民団は当時、かつて帰国事業に孤独の反対運動を展開し、今でも北朝鮮の蛮行に対して闘っています。私は韓国政府や民団の行っていることをすべて支持しているものは決してありませんが、北朝鮮政府が、朝鮮民族全体を決して代表しているのではない、ということをお話しています。
そして北朝鮮政府の犯罪を良く知っている人であれば、北朝鮮の人々とその政権をきちんと区別しています。めぐみさんを待っている横田早紀江さんは、めぐみさんが帰ってくることを祈っていると同時に、北朝鮮の人々のためにも祈っておられるのです。
上のブログ記事の牧師さんは、プロライフ(中絶反対)の活動をされている方です。日本人を拉致した北朝鮮政府が、現在どのようなことを行っているかを読んでいただけたらと思います。拉致をするとき「人を人と思わない」その考えは、胎の中の幼子をも物質にしか思っていない考えと同じなのです。
北韓人権情報センター報告 人権事件レポート 19歳妊娠女性殴打で死亡
ここまで述べましたが、あくまでも私の人権意識と政治的な見方であることを最後に付記いたしたいと思います。私は、総連の方々にもぜひイエス様を知ってほしいと願っている者の一人です。以上のような強い意見や主張を私は持っていますが、それとは関係なく、総連の方々も神に愛され、キリストがその罪のために十字架で死んでくださったことを、お知らせしたいと思います。