「国家主義」について問う

昨日、「舟の右側」2017年3月号をキリスト教書店で購入しました。ここの表紙に大きく紹介されている三つの記事に興味を持ったからです。一つは、「ミッション・スクールの使命に生きる」ということで、元KGK主事の安藤理恵子玉川聖学院学院長の証しです。私が大学生の時、KGKに関わっていた時に、安藤主事もおられたので、その記事を読み、懐かしく思い出しました。

そして、二つの特別寄稿があります。これが大きな目当てでした。一つは、「『沈黙』をヨシュア記の視点から読む」(牧師 高橋秀典氏)であり、フェイスブックで当映画についての批評や感想を、たくさん互いに分かち合い、有意義でした。すでに、ブログにてこの記事の元となっている説教の要約を紹介させていただいています。⇒「『恐れ』を恐れよ

もう一つの寄稿について議論したいと思います。「国家と国家主義 「教会と国家」を聖書から見る(1)」(牧師 水草修治氏)です。最近、フェイスブックのページにてご本人と意見交換をさせていただきました。次の論考に似た内容になっております。

聖書から見た「教会と国家」PDF

自分の「国の見方」の変遷

上の論考、また雑誌の記事を読み、自分が聖書から読む国家観と似ていると思いました。特に、かつて自分が「聖書預言の旅」を書いた時に、天皇制の問題にも言及したように、以前は同じような国家観を持っていました。説教の中でも、折に触れて、国家主義に対する危機意識に言及していました。 続きを読む 「国家主義」について問う

ホロコーストと中絶

フェイスブックには、昨日と今日、二つの大きなイベントがタイムラインに流れています。1月27日は、「国際ホロコースト記念日」です。ホロコーストの犠牲者を記念する日です。もう一つは、ワシントンDCにおいて、胎児の生命尊重を訴える「マーチフォーライフ」が行なわれました。日本でも、カトリック関係者の方と、小さないのちを守る会の代表によって、この行進が行われています。

ホロコーストと中絶の合法化に共通することがあるんですね。それが「優性保護法」です。「優生学」に基づいています。 続きを読む ホロコーストと中絶

トランプ大統領とクロス王

フェイスブックからの引用:

マスコミがほとんど、ヒラリー女史が当選すると言っていた中で、トランプ氏の支持が実は高いことを伝え続けていた数少ない人の一人が、この方です。私は、冷静に眺める時に、このような見方になるのではないかと思います

トランプ大統領就任 
(注:
こちらに、日本語訳付きの就任演説を見られます。)

つまり、日本がアメリカにおんぶにだっこの時代は終わりつつある、ということです。自分でしっかりと、自国について考えないといけない時代になっている、ということです。国の指導者のために祈るキリスト者の働きは、ますます顕著に重要になっています。

そして彼女の論評に補足させていただくと、トランプ・チームの人選、就任式やその後の国家祈祷会において、これまでにない数の福音派の指導者が目立っているということです。これまで、国に対して見張り役として声を挙げていた人々が、最高司令官のそばに呼ばれている、という感触を持っています。 続きを読む トランプ大統領とクロス王

オバマ大統領「雄弁な言葉を持つ、行動しない指導者」

以下の文章はシルバートランペットからです。オバマ氏の演説は、「心に響く言葉を持っている、しかし腹にまで落ちない、いやむしろ、腸が煮えくり返ることさえあった。」と言えるでしょうか。怒らせても、納得させてしまう指導者もいますが、オバマ大統領は気持ちよくさせて、怒らせてしまうという珍しい人だったのではないか、と思います。「ポスト真実」と呼ばれる時代のそれこそ象徴的指導者だったのではないか?と感じます。

しかし、トランプ次期大統領において、従来のアメリカを取り戻せるというのも、私は個人的には懐疑的です。時代が変わってしまったのではないか?と感じています。誰が大統領になろうとも、どうにもできない道なのではないだろうか?と感じるからです。けれども運命的にはなっていません、むしろ国を救うのは人ではなく、神であるのだという希望を強くします。そして、主は確実に、ご自分の救いの計画を完成に向けて強く動かしておられます。

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オバマ大統領が任期最後の演説をしました。(日本語訳の全文はこちらをクリック

彼の言葉は、これまでの演説の特徴と変わることはありませんでした。理想的、進歩的なことを志向する人々には、実に美しく、気持ちが高揚します。けれども、現実の生身の人間との接触による感覚とは大きな開きがあり、違和感を抱かせ、実際に大きな齟齬が起こって、不満と怒りがかえって溜まる、と言えるでしょう。 続きを読む オバマ大統領「雄弁な言葉を持つ、行動しない指導者」

オバマ氏のイスラエル軽蔑

(前記事「国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権」①~⑤からの続き)

Obama Despises Israel Because He Despises the West

八年間のオバマ政権が終わりに近づき、その最後の偉業を米国の対イスラエル外交を根底からぶち壊すようなことをしました。次に、正統派ユダヤ教徒でコラムニストである、ベン・シャピロ氏による記事を紹介します。

「オバマ大統領が、なぜイスラエルを軽蔑しているのか?西洋を軽蔑しているから」という題名の記事です。お見事な指摘であり、私がずっと気になっていた内容でした。オバマ氏はまさに、イラク戦争以後の世界の考え方、特にキリスト界の潮流を象徴しているかのような人でした。彼の根っこの信念には、「宗教左派」というものがあります。いわゆる、リベラルなキリスト教です。

イスラエルに対して、実は今、アラブ諸国との関係は悪くなっていませんでした。
トランプ次期大統領が、あれだけの過激発言をしたにも関わらず、中東諸国はトランプ氏よりも、オバマ氏のほうに不満が溜まっていました。それは、彼は中東政策についていろいろ語り、異常なほど接近するけれども、実際は、全く不関与の態度を取り続けたからです。 続きを読む オバマ氏のイスラエル軽蔑

シルバートランペット Silver Trumpets

今年二月の聖地旅行の参加者の一人であった兄弟が、「音楽」と「世界・国内情勢」という二つの分野で、キリスト者ではない人々、一般の人々向けに、注意喚起の声として、聖書にある「銀のラッパ」として情報発信するFacebookページを立ち上げています。私は、世界や国内のニュース関連の発信でお手伝いさせていただいています(ニュース発信はその兄弟と私の二人によるものです)。ブログでは、情報発信の頻度が少なくなっていますが、こちらのサイトで確認していただければ幸いです。(下の画面をクリック)

音楽のほうは、ユーチューブで話題になっているゴスペル・シンガーの、出立堅太さんです。ウェブサイトもあります。

SILVER trumpets

「ドラマ 東京裁判」から学ぶ

今、東京裁判の四回連続NHKドラマを見ています。11か国からの判事の舞台裏を、生々しく描いていて、重い気持ちにもなりますが、非常に勉強になります。

「ドラマ 東京裁判」

そもそも「戦争を人が裁けるのか」という根源的な問いがテーマでありますが、それからは、ずれるのですが、私は11人の判事の、駆け引きとも言える人間模様の生々しさに興味をそそりました。そもそも「複人数の者たちが全く対等に、統一見解を歩調を合わせて出す。」ということ自体に無理があるなあ、と思いました。それぞれが、強い信念と正義感を持っています。そしてその「正義」には温度差があり、それぞれ異なり、意見が全く相反する人たちもいます。しかし、どこかで落としどころ、決着をつけなければ判決ができません。

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池上彰に物申す

在イスラエル日本人の方のブログ記事、紹介します。

池上彰に物申す

トランプ次期大統領の義理の息子ジャレド・クシュナー氏がユダヤ人ということで、「解説」なるものを週刊文春で池上さんが書かれたそうですが、まるで出鱈目のことを書いているので、それを正す内容です。

そうなんです、池上さん、キリスト教を含む三大宗教のことたくさん書いているし、中東やイスラエルについても書いているのですが、基本が全然なっておらず、びっくりすることがあります。かつて、三つの記事を書いたので、関心のある方は読んでください。

ここが変だよ!池上彰さん (その1)
ここが変だよ!池上彰さん (その2)
ここが変だよ!池上彰さん (その3)

突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する

イギリスのユダヤ教チーフ・ラビ、ジョナサン・サックス氏が、2016年9月27日に、欧州連合議会において、新しい形の反ユダヤ主義について雄弁に語っています。下は、原稿の英文を意訳したものです。

これまで、ロゴス・ミニストリーのサイトでは数多く反ユダヤ主義について取り扱ってきました。下の日本語の意訳の後に、関連記事をリンクします。

The Mutating Virus: Understanding Antisemitism(突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する)

ユダヤ人憎悪はユダヤ人で終わりません。ヒトラーによって苦しみを受けたのはユダヤ人だけではありませんでした。スターリンによって苦しめられたのはユダヤ人だけではありませんでした。イスラム国やアルカイダ、イスラム聖戦によって苦しんだのはユダヤ人だけではありません。反ユダヤ主義がユダヤ人だけに向けられたものであると考えたら大間違いです。これは、ヨーロッパに対する最大の危機であり、何世紀にも渡って達成した自由に対する脅威なのです。 続きを読む 突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する

米大統領選を終えて

11月8日(日本は9日)に、アメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏が当確しました。このことについて、フェイスブックで祈りの思いを込めてかいた投稿がありますが、フェイスブックをやっていない方のために、こちらにも公開します。米国内としては、これほどキリスト者にとって、また一般の人々にとって、辛い選挙はなかったと思いますが、祈りの力を感じるものはありませんでした。そして世界的には、大きなうねりが国々に起こっているのを感じます。

わたしは、すべての国々を揺り動かす。(ハガイ書2:7)」

whitehousetrump

「トランプ氏、大統領に選ばれる」

先ほど、ライブで彼のスピーチを聞きました。アメリカの大統領選っていいなあと思うのは、どちらから決まったら、必ず対抗相手と話をします。そして敗けたほうがその選出を祝します。ヒラリーさんと話して、トランプ陣営をねぎらったそうです。それから、トランプさんもヒラリーさんの業績をほめました。そして、「私たちは分裂の傷を癒す時を経ないといけない」と言って、「私たちは一致団結した(合衆United)民なのです。」と言って、反対陣営にいた人も含めて、自分が大統領になり、そしてアメリカは一つなのだ、と語ります。このスポーツマン精神が、私はアメリカの好きなところ、強さだと思っています。 続きを読む 米大統領選を終えて