北アフリカと中東における反体制運動で、エジプトの次に大変なことになっているのがリビアです。私たちキリスト者が忘れてはならないのは、「北アフリカと中東」は古代から聖書の舞台だったこということです。したがって、今起こっていることは決して私たちの信仰とは無縁ではなく、むしろ、神がご自分の預言の中で前もって語られていることへ向かう、一つの場面であることを知る必要があります。
エジプトについては、すでにイザヤ書19章を始めとする神の預言によってその行く末を見ましたが、リビアについても神は黙っておられませんでした。
一つに、リビアを神が福音をもって愛されたという事実です。使徒2章10節に「エジプトとクレネに近いリビヤ地方などに住む者たち」とあります。クレネは一般に「キュレネ」と呼ばれている世界遺産のある町であり、ギリシヤ・ローマ時代に栄えたところでした。ここに当時、離散ユダヤ人の住民がおり、五旬節にエルサレムに上ってきたさい、聖霊降臨の場面を目撃して、ペテロの説教によって悔い改めました。
実は聖霊が降られる前に、目の前で主ご自身を見た人がいます。そう、イエス様の十字架を担いだのはクレネ人シモンです(マルコ15:21)。
そして使徒行伝には、驚くべき記述があります。ユダヤ人ではなく異邦人にも福音を宣べ伝えた無名の兄弟たちの中に、クレネ人がいるのです(11:20)。彼らの働きによって、信者たちの間に神は異邦人にも目を向けてくださっているのだと悟り始めました。
そしてアンテオケの教会で、指導者としてバルナバとサウロ(パウロ)に手を置いて宣教に送り出した一人は「クレネ人ルキオ(13:1)」でした。
もう一つは、リビアはノアから分かれ出た諸国民のうち、ハムの子孫の一つとして数えられていることです。ハムの息子に「プテ(創世10:6)」がいます。「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」を執筆したヨセフスはプテをリビアだとしています。ここで創世記10章にある民族分布図を見てみましょう。
(http://www.freemaninstitute.com/より)
そして今回、反政府デモが起こっている地域を見てください。
とても似ていますね?神がこの地域に今、何かをされていることは間違いありません。
そして次に、リビアはエゼキエル38章における「ゴグとマゴグの戦い」に参与する国として登場します。
ペルシヤとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。(5節)
ペルシヤはもちろんイランのこと、そしてクシュはエチオピアとスーダンを合わせた部分です。最近、スーダンで選挙が行なわれ南部の独立が決まりましたが、そこも非常に不安定な地域です。
それで、ゴグとマゴグの戦いの地図も見てみましょう。
(http://eindtijdinbeeld.nl/より)
いかがでしょうか?これも、今、反政府デモが起こっている地域と似ています。
そして最後に、リビアは反キリストが攻め入ってくる国々の一つです。
彼(反キリスト)は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。(ダニエル11章43節)
ここの「ルブ」はリビアのことです。
したがって、これからの情勢は、ゴグとマゴグの戦いにあるように、一気にこの地域が反イスラエルに傾き、おそらくはイスラムによって固められるでしょう。(そうでないことを願います。モサブ氏はブログで、イスラムから人々が去っていくだろうと話しています。)
(以上、参考記事があります。BIBLE PROPHECY AND THE FUTURE OF LIBYA)
今、イスラムの終末論についての本を読んでいます。彼らが待望しているイスラム版メシヤである「マーディ」と「反キリスト」が酷似していることを論じている本です。
後日紹介しますが、ユダヤ教とキリスト教を借りた新興宗教のようにして出現したイスラム教は、実は、終わりの日の絵図にしっかりと組み込まれていることを思います。
「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。何よりもまず、互いに熱心に愛し合いなさい。(1ペテロ4:7-8)」