第四回目 奥松島・東松島救援旅行 5月17日

朝7時に自炊の朝食を皆でいっしょに取り、デボーションをして、それから活動開始です。昨日の「炊き出し部隊」は、昨日、牛網避難所を訪れたところ「炊き出しはお昼より夕のようが良いのに。」という要望を聞いて、それで人数が増えるため、再びマックス・バリューで買出しに行きました。そして、仙台お住まいの武田さんも合流し、牛網避難所に戻ってさっそく夕食のための準備を始めました。

メニューは「イタリアン風マカロニサラダ」です。これまでの炊き出しのメニューはずっと醤油チキンだったので、ちょっと趣向を変えようという妻のアイデアでした。サラダと言っても、チキンを中心にいろいろな素材の入っているボリュームのあるものです。当初、二時間で完成できると思っていたものが五時間ぐらいかかったのことです!

「木村宅所持品取り出し部隊」は、最終的な取り出しを行ないました。ダンボールに詰めて、それをコンビニまで運んでいき、そこから宅急便で木村さんの兄弟宅へ送付し、そして残りを静岡のグループが東京にある木村さんの仮住まい宅に18日に降ろす予定です。

それから牛網避難所に合流しました。まず、私たちは自分たち用の昼食(レトルトカレー)を食べ、それから作業にとりかかりました。女性三人と植田さんは、続けて夕食の準備をしました。木村さんのお母さんが、もう80歳なのに、ずっとお立ちになって皿等の洗い物をしてくださったそうです。

瀬谷さんは前回に引き続き、デザイン風の習字を教えました。それを後日、Tシャツにプリントして渡します。

他の男性陣は清掃のお手伝いがないか付近を歩き回りました。前回と前々回に来たところは、かなり片付いています。それでも避難所の目の前に住んでおられる方の庭の木々に津波による泥がついているのを払い落とす作業、そして千葉さん宅で残されているトイレの清掃がありました。トイレまで清掃するというのは、もちろん、後に使えるようにするためであり、私たちのようなボランティアがそこにテントで寝泊りできるようにするためでもあります。

そして見城さんと雅治さんは、他の家で、家の底にあるヘドロ取りが必要な人を見つめました。私も少しお手伝いしましたが、驚いたのはそこの被災者の人は、徒歩3分のところにある牛網避難所ではなく、他の避難所に行っているとのこと。避難所の存在さえ知りませんでした。

千葉さんからも今回話が上がってきたのは「在宅被災者」です。避難所、特に牛網の避難所はかなり祝福されています。けれども、彼が会議などに参加すると分かってくるのは、在宅の方々がまだまだ物資に困っているとのことです。次回以降、そのような人々にも届きたいという願いを千葉さんにお話しました。

そして夕食に近づき、人々がやってきました。自衛隊の人たちの炊き出しは、千葉さんによるとちょうど今日(19日)に終わり、これからは弁当の配布になるそうです。お風呂の部隊も人数を減らすとの事。次第に、自衛隊も違うことに部隊を動かす方法になっています。

そしてサラダは多く余ったので、自衛隊の人たちにおすそ分けし、私たち自身も自炊のご飯といっしょに食べました。そこにいつもいる小学校一年生のしょう君が、「さあ、おかわりをしなさい。」と命令口調で繰り返すので、しかたがなく(?)男性数人がそれに応じ、おなかがいっぱいになりました!

そして、避難所でのイブニング・ショーが始まりました。見城さん、望月雅治さん、そして望月誠司さんがミニ・コンサートを開いてくださいました。初めは一般のカントリー・ミュージックでしたが、すぐに賛美歌に移り、そして音楽の前説明の中に証しを盛り込みました。そして見城さんが最後に、はっきりと十字架のメッセージを語ってくださり、私たちは心の中で神をあがめました!

私はバンドの目の前でカメラを回していたのですが、隣にいるおじいさん(前回はフラランスを前に出ていっしょに踊った方)が私に話しかけてくださり、実に感謝していること、そして“教材”も読んでいて、その道についてもいろいろ考えているという話をしてくださいました。「教材」とは、もちろん私たちが第一回目、第二回目に渡していたトラクトのことを指しています。そして、「コンサートの終わりにお礼の一言をお話したい。」と申し出てくださったので、終わりに話していただきました。

そして避難所の人々と別れました。千葉さんも交えて、ここで別れる武田さんのために皆でお祈りしましたが、千葉さんが「いろいろな神様がいて、忙しい。」と冗談をもらしておられました。ちょうど前日に、仏式の葬儀に出席しなければならなかったそうです。そうは言ったものの、千葉さんはいつも「高台から津波を見ていた人と、実際に津波に飲まれてしまった人では違う。」とおっしゃいます。つまり、「生と死の捉え方が変わってしまった。」ということです。

そして宿に戻り、再び少し交わりをして床に就きました。