前投稿で、「世界一評判の良い国 - 日本」という内容を取り扱いましたが、今度は同じBBC調査でイスラエルを見てみます。
Poll: Israel viewed negatively around the world
イスラエルは厳密には世界一ではありませんが、イランがかろうじて世界一であり、けれども僅差で評判の悪い国となっています。パキスタンと北朝鮮と並んでいます。ロゴス・ミニストリーのブログや、聖書の学びをしている人は、「なんでー!」と大きな声を挙げることでしょう。日本人が自国を否定的に見ているが、世界的には良い評判を受けているとは対照的に、イスラエル人はことさら悪いことを世界に行っていないのに、世界から悪い評判を受けているのです。
入植地の住宅建設なのでしょうか、パレスチナ人テロリストやガザ地区への攻撃もユダヤ人が悪いというもあるのかもしれません。調査によると「対外政策」とのこと。「あなたたちがしていることのせいで、世界秩序が崩れているのですよ。あなたたちが、自分たちのことに固執しているから、私たちが迷惑を被っているのですよ。」ということなのでしょうか。
私たちが自分の住んでいるところで、一区画で住宅を建設するかどうかの揉め事が、一気に世界に広がっていき、外交政策として圧力がかけられることを考えてください。内政干渉どころではありません。普通ならば「あなたの国は承認しない」を暗示する脅しにも聞こえます。けれども、その相手が最大の友邦国であるアメリカから来るのですから、たまったものではありません。あるユダヤ教ラビは、新聞に「私たちはなぜ憎まれるのだ?彼らに私たちは何か悪いことをしたのか?」という叫びに近い意見を投稿しました。彼らが反ユダヤ主義に敏感になるのは当然であり、事実、反ユダヤ主義は存在しているのです。
フェイスブックでこの記事を引用したら、日本で宣教師として奉仕しているユダヤ系アメリカ人の兄弟が、「いつものことだ」との一言を残していました。この”nothing new here”という言葉に重みを感じない人がいれば、その人は極めて鈍感です。ユダヤ人が他者から嫌われていることは常態化しており、その常態化した状態の中でどのように生きるのか、といつも彼らは考えているのです。
私が好きな聖書教師の一人が、ジョエル・ローゼンバーグ氏ですが、彼はイエス様を信じるユダヤ人です。彼が最近、ドイツのカルバリーチャペルでの会議で講演者となりました。
私は彼が説き明かすエゼキエル書36‐39章の話はたくさん聞いていましたが、ドイツという地で行なった彼の説教内容は、これまでと違った重みのあるものです。
彼は、ヨーロッパが聖書の中で深い関わりを持っているところから始めました。パウロが小アジヤだけで宣教を留まらせておこうと思ったところ、イエスの御霊がそれを許さず、マケドニヤへと遣わされたのです。そしてヨーロッパの中心、いや当時の世界の中心であるローマにまで行き、ローマ人にも手紙を彼は書きました。
彼は続けて、ヨーロッパ人とユダヤ人には愛憎の関係があると論じました。ユダヤ人の宣教者によってヨーロッパに福音が伝えられた一方で、ローマの信者たちに対して警告を発しています。ローマ11章をじっくり読めばそれがよく分かります。1節には、「神はご自分の民を退けてしまわれたのですか。絶対にそんなことはありません。」と問います。このように問う、ということは、ユダヤ人は退けられたと考える異邦人信者たちがいた、ということです。私は、ローマ11章はいつも読んでいましたが、そのような現実の歴史的背景に、ローマにいる異邦人信者がすでに反ユダヤ的な考えを持っていたという想像はしていませんでした。
そして、「あるドイツ人の指導者が言ったことば」としてこう紹介しています。
「それゆえ、この怒りによってユダヤ人は神にはっきりと拒絶されており、もはや彼らは神の民ではないし、また神も彼らの神ではないという結論に達せざるを得ないのだ。」
そしてこう具体的に提唱しました。
「まず第一にわれわれは、彼らが会堂をもつ権利を拒否する。・・・第二に、彼らのすべての書物、祈書、タルムードを没収すべきである。・・・第三に、彼らがわれわれの領地で神を讃え、感謝し、祈り、説教することは公けに禁止されねばならない。」
彼は言わずとしれた、プロテスタントの父祖マルチン・ルターです。日本語で、その一部をネットで読むことができます。 → 「ユダヤ人と彼らの嘘」マルチン・ルター
なぜこうなってしまったのか?彼はキリストをユダヤ人に宣べ伝えました。けれども、だれ一人、キリストを受け入れる者はありませんでした。それだけかたくなであることで、彼はその訴えを神に申し上げるよりも、苦々しくなったのです。ジョエルさんは、「私は、ルターは今、天国にいると信じています。けれども彼は、神がユダヤ人に持っておられるご計画を知らなかったのです。」と言っていました。彼らが福音を拒んだことが、神が彼らを拒んだことにはなりません。
確かに一時、神は彼らを退けたけれども、それは、懲らしめのためであって、長い期間かけてそれを行ない、今、その地に戻してくださっている。そして、それがエゼキエル36-37章にある、土地と国の回復の約束なのだ。それが今、実現しているのだ、という内容です。
(「その2」に続く)
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