日本の皆さんへ - 韓国と中国を思いやろう

前記事「韓国の皆さんへ - 日本の保守派とは」の補足として書きます。日本語で書いてしまったので、むしろ日本人の人がたくさん読まれたと思うからです。

かつて「日本」にさせられていた韓国

知らなければいけないことは、前にも話しましたが、韓国の人々にとって、70年近く前まですべて「日本人」にされていた、ということです。周りにいる韓国の方々は、ご両親が日本語が話せる、とか、昔の日本の食べ物や文化的な習慣など、懐かしがったりするような人もいて、また日本の軍人に目の前で親が殺された、という人もいたりして、「日本」から切り離せない人々なのです。

また、どの高校に行ったかなど、比較的裕福な人は親日拠りの高校で、お金のない人は独立派の高校など、「日本」に対する姿勢で社会構造があり、それが文化の中に深く根づいています。私たちにとっては戦後は70年近く前の話ですが、韓国民にとっては今も残存しており、そして朝鮮戦争という日本敗戦に付随して起こった戦争の中で、今も休戦でありながら、その戦争の中に生きている人々なのです。

韓国に私が初めて行った時に、驚いた感触は、「ここは日本の延長だ・・った」というものです。日本と似ている部分があまりも多すぎる。そして歴史は、それがここが日本の植民地であったから、ということを教えます。

私たちは、韓国の一部の人々が対馬が韓国領だと主張するのを見て怒り心頭しますが、昔、日本本土が韓国政府に支配を受け、国民一人一人が韓国名を受け、韓国語教育を一時期は強要されていた、と想像すればいかがでしょうか?遠く、得体のしれない大国から侵略されるのと、隣国で付き合いの長い国から侵略されるのとでは話が違うでしょう。これで、韓国人の悲しみと痛みが少しは想像できるのではないでしょうか?

台湾の人は・・・そうでしょう、日本の植民地をむしろ懐かしがっている人々、親日の方々が多いです。しかし、一つの統治をどう受け止めるか、その主観はそれぞれ違うと思わないといけないと思います。

要は想像力です。そして共感するのです。

政府要人のマスコミ誤報

そして、日本の政府要人の発言について韓国や中国が激しく怒りますが、反対に私たちも、マスコミによる文脈を外した韓国の政府要人の発言で怒り心頭していることがあります。リンク先の趙甲済氏は、李明博前大統領の天皇関連発言は、マスコミが文脈を外して伝えた一種の誤報だ、と言っています。お互いに、そうしたマスコミの誤報を繰り返して、両国民の感情を掻き立て、外交関係にまで及んでいる、ということを知らないといけないと思います。だから、韓国また中国についての報道も、私たちの感情を煽るように作られていることを知って、冷静に、疑いの目でその情報を受け取っていく必要があります。

漢字圏の三カ国

最後に、日本の中には中国脅威論があります。今回、朴韓国大統領が中国の訪問して反日を共通項にした外交を展開させたことを不快に思っている人たちもいるようですが、韓国はもっと伝統的な外交姿勢を持っています。つまり中国は今の共産党政権としてよりも、長年の付き合いのある漢字圏の相手として、単なる体制の違いを超えた付き合いは存在していたのです。

中国大陸に隣接する半島という地政学的なこともありますから、体制が異なっても中国にすり寄ることは容易に考えられますし、歴史を重視する韓国民は同じ漢字圏である中国は重要なパートナーです。

実は日本もそうなのです。私も趙甲済氏の意見に賛成です。

「私は基本的に漢字文化を共有する韓日中、そして東南アジアの国家の間では歴史問題、領土問題の解決は難しいことだが、未来のために協力することにより領土問題、歴史問題の葛藤を弱化させることができると考えています。そのためには「政経分離、武力使用排除、国民親善の強化」が必要だと思います・・」

国と国が歴史問題と領土問題をそのままぶつけたら、戦争をするしかなくなります。けれども、三カ国とも経済において文化において切り離しを行なったら、共倒れします。だからこそ、このソフト面をしっかり強化しなくてはならない、これが東アジアでもっとも効果的な平和維持方法、と私も思っています。

【後記】

謝罪問題について、私も同感する日本がしなければいけないことの提起が次の記事にありました。ちなみに筆者はカトリックの方のようです。

戦前戦中をめぐる日本人の謝罪はなぜ通じないのか — ヨハネス 山城

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