サイード・アベディニ牧師の釈放

昨日、そして現在進行中で、すばらしい知らせが入りました。イランと米国の二重国籍を持っている、サイード・アベディニ牧師が三年前に、キリスト教徒への支援活動などを理由に拘束された米国人のサイード・アベディニ牧師に、禁錮八年の刑を言い渡たされ収監中でした。しかし、米国とイランの収容者交換の中で、四人の米国人が釈放され、その中にサイードさんが含まれていました。

イラン、米国籍のキリスト教牧師に禁錮8年(2013年の記事)

イラン人7人に恩赦、米国人4人釈放と引き換え 米政府(昨日の記事)

サイードさんのために、全米のキリスト教会が熱心な祈りを捧げてきました。(ウェブサイト)奥様のナグメさんは、カリフォルニアで救われ、アイダホ州にあるカルバリーチャペル・ボイシでご両親も救われた方で、カルバリーチャペルの中では有名人としてよりも、同じ家族として心に留め、祈っていた人が多いと思います。

カルバリーチャペル・コスタメサでのインタビュー(2年前)

Naghmeh Abedini from Calvary Chapel on Vimeo.

彼女は生まれはイランで、育ちがアメリカです。米同時多発テロの後にカルバリーチャペルから遣わされイランに行った時に、サイードさんに出会いました。元ムスリムで、イランの地下教会で大きく用いられていた人でした。危険が増したのでイランを去り2005年にアメリカに戻り、彼も米国籍を得ました。そしてカルバリーチャペルで奉仕をしていました。

2009年にイランに戻るように召されていると信じ戻りました。祈りを捧げそれで帰国しようとしたら、サイードさんが逮捕されました。けれども収監されることはなく、地下教会の活動はすることのないようにという厳重注意を受け、ある公安の人は人道支援をしなさいという勧めまで行ないました。それでイラン北部にある祖父の所有している土地があったので、孤児院を建てることにしました。それで2011年、孤児院での働きのためにイランと米国を行き来していました。Saeed Family

2012年7月にサイードさんが米国を立ち、すぐに落ち合いましょうと話していたところ、それから彼を見ることができなくなりました。家宅軟禁にし、9月に彼を世界的に悪名高いエヴィーン刑務所に投獄しました。彼に対してキリストを捨てて、イスラム教に戻るなら釈放されるということでした。(今、この刑務所に収容されているキリスト者たちについての記事が日本語でこちらにあります。)

しかし、彼は、刑務所の中でも福音を伝えていきました。

そしてどうして神がこんなことを許したのか?という思いがナグメさんにありましたが、市井の主婦でしかなかった彼女が、釈放を願う働きに導かれ、全米で、全くキリスト教の環境ではないところでイエス様の証しを立てる機会が与えられました。国連でも、そのまま福音を語りました。イランの放送局でイエス様を伝えることができ、何百万のイラン人に届くことができました。

祈りの輪が全米に、そして世界中に一気に広がりました。祈りの集会の日の後に、米政府が34年ぶりに初めてイラン政府に連絡して、その交渉の中でサイードさんの名前が挙がりました。ずっと、そのことを米政府は拒んでいた中でのことでした。

そして去年、オバマ大統領がアイダホ州を訪ねている中で、アベディニ家に訪ねに来てくれ、彼の釈放は優先課題だということを伝え、その情熱を見せてくれていました。そして、昨日、確実に釈放されて、第三国において、奥様と息子、娘が、サイードさんと時間を取っています!

I am talking to Saeed right now. He is doing well. Thank you all for your prayers.

Posted by Naghmeh Abedini on 2016年1月17日

オバマ大統領もその2時間前には、個人的に電話をかけてきてくれて、それでお祝いの言葉を伝えてくれたそうです。

Oh My GOODNESS!!! President Obama just me called moments ago and congratulated our family on Saeed’s release! We had met…

Posted by Naghmeh Abedini on 2016年1月17日

 

政治の中で、政治を超えた働きをされる神

私は、いろいろなことを考えさせられました。北朝鮮からの拉致被害者奪還運動において、その象徴的な人が横田めぐみさんですが、その母親、早紀江さんは娘がさらわれた後に信仰を持ち、今は熱心なクリスチャンであり、定期的な祈り会を、彼女に近しい人々が今でも持っています。全国に知られている人であると同時に、キリスト教会において執り成しの祈りを捧げています。

そしてオバマ大統領と安倍首相のことを考えました。オバマ大統領は、アメリカの福音派のキリスト教会にとって、日本の福音派のキリスト教会の人のようであります。つまり、ものすごく嫌われています。アメリカがアメリカたらしめる、ユダヤ・キリスト教価値観を動かしてしまったという強い失望と怒りが、福音的なクリスチャンによってもオバマ大統領に向けられています。しかも、イラン核合意については、安全保障上においてとてつもない危機をもたらしているとして、たった今、共和党大統領候補の中での討論で、最大の批判材料になっています。

しかし、今回の全米のキリスト教会における祈りは、そうした対イランの核合意の中で、経済制裁解除が行なわれている中で起こったことであり、政治的には非常に不満なことであるのに、同時にその中で、念願の祈りがかなえられたのです。

神は、このようなことをされる方です。バビロン捕囚という悲劇的な出来事を神が許される中で、主はダニエルとその友人三人を用いて、全く異教の国に主の証しを立てるようにされました。

だから、自分の政治的意見の前に、指導者に対する感情の前に、主の命令に従うべきです。それは、すべての人のために、王や高い地位にある人たちのために、願い、祈り、感謝、執り成しを捧げるべきなのです。

年末にもたれた慰安婦問題についての日韓合意においても、私は似たような感情を持ちました。復古主義とも批判された安倍首相が、慰安婦問題に取りくんできた人々が深い安堵をもたらすところの謝罪と責任発言を行なったのです。昨年行なわれた七十年談話においても、日韓合意においても、日本国の言うべき言葉を発信しました。その時、私も安堵しました。首相のために祈ってきた、その祈りが聞かれた思いがしました。

もちろん、その決断や発言に欠けたものを見いだせば、出てくるでしょう。しかし、そうした政治的動きを神は摂理の中でご自分の目的のために動かしておられるのです。そこで必要なのは、神の国で、王となり祭司となる我々キリスト者が、祈りによって霊的に権威を行使することことです。

指導者に対して、その指導者に注目するのではなく、指導者の背後に働かれている神を認め、そして熱心に執り成します。そして、敬い、感謝し、必要な時は評価するのです。政治は必ず党派心が伴います、しかし党派心は肉の働きの一つです。しかし政治そのものは、神の御心です。神の政治の中に生きている私たちが果たす役割は大きいです。

聖書の学びから:
全ての人への祈り」テモテ第一の手紙2章1‐7節(原稿

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