以下のビデオを何度も見て、涙しました。
これは、「ソーダストリーム」という会社で、イスラエルのネゲブに工場を持つその姿を表しています。ユダヤ人、イスラエル系アラブ人、そしてパレスチナ人が共に働いている姿、なんか夢の中にいるような風景です。
この会社は、かつてヨルダン川西岸地区内に工場を持っていたため、世界のBDS(イスラエル製品ボイコット運動)の攻撃を受け注目を浴びた所です。「入植地」「イスラエルの会社」ということで、搾取の象徴であると断罪していましたが、自治区の経済はずたずたで失業率が高く、現地パレスチナ人の大きな働き口は入植地におけるものなのだ、ということは現地では常識となっています。しかも、イスラエル国における労働規定がありますから、イスラエル領地内の賃金や福利厚生を平等に提供しなければならないので、相対的に、パレスチナ人としては賃金も、労働条件もはるかに良い環境で働くことになります。
入植地といいますと、偏狭で過激なユダヤ教徒が住み、暴力を振るうようなイメージを活動家によって配信されていますが、実際はその多くが平和な人々であり、宗教的な人々は聖書ゆかりの地のユダヤ・サマリヤ地方に自分たちがいたいという願いで来ています。そして入植地において工場を作りたいと願うようなイスラエル人は、普通のイスラエル人以上に実はパレスチナ人への思い入れがある人々もいるのです。
このソーダストリームのCEOバーンバウム氏は、そのような高尚な理想を掲げている人です。パレスチナ人が豊かにされ、共に住み、平和に暮らすということを心から願っている人であります。しかし、BDSの影響で、西岸地区からイスラエル領内に工場を移設しました。けれどもネゲブの産業パークに移動し、イスラエル内で最も貧困と言われているベドウィン(遊牧民)の人たちを沢山、雇用しています。彼の情熱は変わりません。しかしそのために、失業したのは数多くのパレスチナ人です。(右の写真:2月末に労働許可書の期限が来て、ネゲブの工場から西岸に戻るため、最後のお別れをしています。)
そして西岸地区最大の入植地アリエルの創始者も同じで、産業パークを併設して、周囲のパレスチナ人たちと共に働く中での共存を目指していました。自治政府に、納税をするとまで言ったそうです。
私は、自分の知っているクリスチャンの実業家/教育者のことを思い出しました。表面的に、政治的に見たらあたかも現地人を搾取しているかのように見える働きは、実はその真逆で現地の人々にキリストの愛で届きたいという一心でそれらを行なっています。政治的限界のぎりぎりのところで、その使命を果たそうとするために、かえってその逆のことをしていると見られることもあります。このような犠牲を払っているのだろうと思いました。
オリーブライフ誌4月号にあった詳しい記事がありますので、それを紹介します。
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