今の世界を見る時に、イスラム教の伸長とイスラム国によるテロ拡散は、私たちが心して見ていかないといけないことは、当ブログでもずっとお話しさせていただきました。イスラム研究者として、私がフォローしているのは、池内恵准教授の著作やフェイスブックが第一にありますが、もう一つは、飯山陽(あかり)女史によるものです。
「ホウドウキョク」
一つ目のブログはずっと滞っていましたが、久しぶりに記事が始まりました。その始まりが、度肝を抜きました。
私たち日本人、いや世界の人々にとって、不都合な真実というものがあり、その最大なものの一つが、イスラム教です。そして、キリスト者にとって不都合のように見える事実は、世界で最も信者の多い宗教がキリスト教であると言われていたところが、イスラム教になるという予測があることです。
兼ねてから、キリスト者によるムスリムへの愛、福音宣教は強調されていますが、どうしてもキリスト者であっても、「とっつきにくい」「恐い」という世界の潮流に飲まれてしまっている嫌いがあります。しかし、世界宣教的に見るならば、最も関心を寄せなければいけない宗教の人々であるのだということは、知らなければいけないのでしょう。
そしてもう一つ、昨日起こった、エジプトのコプト教の教会で二箇所で連続爆破テロが起こったことです。
被害を受けた人々、ご遺族の方々のために祈ります。
世界的に、キリスト者に対する迫害や殉教は毎年、倍増しているのですが、中東やアフリカ地域における迫害が最も顕著です。リビア海岸で、エジプト人21人が、斬首され殉教を果たしたことは、まだ強い記憶が残っていると思います。昨年末のカイロにある教会に対するテロ、シナイ半島においてのコプト教徒に対する惨殺、それゆえの避難と移住。そして今回のテロです。
関連記事:「リビアの海岸に流された聖い血」「エジプト人キリスト者に広がる愛の御国」
エジプトまた、イスラム教の世界で起こっていることを次のように説明していることは特記すべきです。
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エジプトでは古来より、イスラム教徒とキリスト教徒が互いを「当然の存在」として共存してきました。
歴史的にもほとんどの時代において、イスラム教の専門家は「異教徒」を迫害するより、うまく共存することを共同体全体の利益と考え、イスラム教の教義をその方向で解釈してきました。
イスラム国の恐ろしいところは、そうした解釈や知恵の全てを「イスラム教の歪曲」であるととらえている点です。
今回のテロを受け、エジプトのイスラム教の権威の一人であるアズハル総長は、「テロがエジプトのイスラム教徒とキリスト教徒を引き離すことはない」と述べました。
近年エジプトの国力はどんどん弱体化し、その影響力も低下の一途をたどっていますが、本当に頑張ってほしいです。いろんな意味で。
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全てのイスラム教徒が、イスラム国のように考えているのでは全くないということ、むしろ少数派であることは知っていくべきことです。それと同時に、その少数派は、我々のように信仰を持っている者たち、また仏教徒もそうでしょう、彼らにとっての「異教」に対して、特別に殺害する動機を持っているのだということは、知るべきでしょう。