16年目を迎えた米国同時多発テロ

フェイスブックにおける投稿

16年前の昨日、世界が多く変わりました。いろいろな意味で変わりました。テロ戦の時代に入ったというのはもちろんのこと、世界の価値観がみるみるうちに変わり、今もその延長にあると言えます。

教会も、霊的に変わりました。かつて二つの世界大戦やナチスがユダヤ人などに行った悪を見て、人々は進歩して、理想の世界になるのだとする価値観が、キリスト教会の中にさえあったのが、粉砕されました。けれども、米国同時多発テロによって、人間が何も変わっていない、いや文明論、歴史観そのものが揺るがされるような形で、悪が噴出しました。ナチスはいみじくも、「科学」の名において悪を行ないましたが、イスラム過激派は、古典であるとされていた、昔話とされていた彼らの信じる聖典に触発されて行なっているのですから。

聖書を信仰するのであれば、イエス様の言われている終わりの徴、預言者たちが語っていた徴が顕著に現れていることが分かります。そして聖書は古典ではない、人は進歩するのではなく、神が何千年も前に語られていることが甦るということを経験し続けています。

しかし人間は、それを直視したくなかった。客観的事実を観たくなかった。そこでポスト・モダンとも言われる、「事実ではなく、感じることが大事なのだ」という哲学が、16年前の9月11日の衝撃から始まりました。感情が絶対化され、自己が肥大化され、人々が今よければよい、と思っています。

これが教会にも忍び込みました。聖書に信仰が置かれず、「感じていること=愛」という再定義が行なわれました。アメリカでは、16年前の事件以降、悪の存在を信じる人が増えるはずのところが減り、聖書を神の言葉だと信じるはずのところが、もっと減りました。けれども、「私はクリスチャンだ」と言っている人々の数はさほど減っていないのです。

つまり、「自分がクリスチャンだ」とする定義が、聖書への信仰ではなく、感じていることに基づくようになったのです。

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A September 11th Tribute

講釈が長くなりましたが、シェア元のビデオは、世界貿易センターの近隣に住んでいた一人の若者が、生死の分かれ目のような体験をし、そこで悔い改め、信仰を新たにし、他の死にかけていた人々を助けて行った証しです。その彼が、ニューヨーク市にあるカルバリーチャペルの牧師や、カルバリーチャペル・コスタメサの牧師ブライアン・ブローダソンに出会い、今は、カルバリーチャペル聖書学校の校長になったという証しです。

オリーブ山便り」から

イスラエルのエルサレム・ポストに上がった記事が、秀逸でした。

9:11より16年:現状とこれから 2017.9.12」から

今日は9月11日。2001年にニューヨークで同時多発テロが発生してから16年。イスラエルには、アメリカ以外の国では、唯一となる9:11のメモリアル(犠牲者と消防士など殉職者の名前が刻まれている)があり、今年もフリードマン米大使を招いての記念式典が行われた

9:11以後の現状(エルサレムポストより)

2003年、テロとの戦いを宣戦布告したアメリカは、また世界はどうなったのか。エルサレムポストがまとめたところによると以下の通り。

アメリカでは、大統領が3人交代。死亡した米軍兵士は6928人。負傷した兵士は100万人。かかった費用は、トリリオン・ドル(兆の次の京、ものすごい額という意味)。同時多発テロ関連で逮捕された者たちのうち、41人が、今も拷問で問題になったグアンタナモ刑務所にいる。

2003年にアメリカの侵攻を受けたイラクは、以来、18万人が死亡。イラクで混乱が続く中、隣のイランが強くなった。

2003年、同じくアメリカの侵攻を受けたアフガニスタンは、さらに混乱がすすみ、オバマ前大統領は米軍を撤退させようとしたが、トランプ大統領は、駐留の延長を決めた。

2006年、ハマスがガザ地区を掌握。2011年には、エジプトから、中央政府に反旗をひるがえす”アラブの春”が中東、北アフリカへ広がり、特にリビアでは、カダフィ政権が転覆して国はカオスとなり、北アフリカ諸国に混乱が広がった。アフリカではボコ・ハラムという凶悪なテロ組織が台頭した。

こうした中、2014年、シリアで内戦が始まり、ISIS(スンニ派)が生まれた。これは中東で強くなってきたイラン(シーア派)の影響もあるといわれている。これにより、サウジアラビアなどのスンニ派諸国と、イランなどシーア派との対立が明確になり、中東情勢は、明らかに前より不安定になった。

結果的に、2001年に”テロとの戦い”が始まって以来、逆にテロは激増し、73000件のテロで、17万人が死亡。テロの現場は、9:11以前は、コロンビア、ペルー、北アイルランド、スペイン、インドであったが、以後は、イラク、インド、アフガニスタン、パキスタン、タイ、フィリピン、イスラエルとなった。

またISISの台頭以来、ベルギーを筆頭(ベルギーだけで5000人)に、ISISに加わる若者がヨーロッパから多数生み出され、それらが、ヨーロッパの中でテロを起こすようになってきた。

テロ現場は、いよいよヨーロッパ諸国へと広がり、今や世界のどこででもテロは発生しうるという時代になった。アメリカのテロに対抗する特殊部隊は、2001年には4万3000人だったものが、現在は7万人にふくれあがっているという。

9:11以来、テロは増加・拡大したといえる。しかし、国際テロは9:11から急に始まったのではない。1993年にアメリカの貿易センタービルが爆破されるなど、イスラム過激派のテロは以前からすでに脅威になりはじめていたのである。

結局のところ、9:11は、単にテロが拡大していく前触れにしか過ぎなかったと、エルサレムポストは締めくくっている。

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