8月4日以前のオバデヤ書に見る「エドム根性」の記事の続きです。
副題に驚いたかもしれません。北朝鮮が「甘えん坊のガキ」って?皆さんのよく御存じの、北朝鮮の挑発行動の根っこにあるのは何であるかを考えると、この言葉が適切ではないかと思います。
日本はしばしば、その閉鎖性、内向性を「島国根性」があると言われますが、朝鮮半島は「半島根性」というものがあります。歴史を通じて、周囲の外敵に侵略され、踏み荒らされてきているので、自分たちだけで固まって、他の要素を寄せ付けない国民性を持っている、と言われています。
日本も鎖国などをしてこの島国を守ったのですが、日本の島国根性と朝鮮の半島根性の違いは、日本は本当に自活して島の中だけで生きていこうという独立性があるのに対して、半島は大陸と地続きなので、そこまで自国を閉鎖することはできず、侵略されつつも、その国々に拠り頼まなければいけない矛盾を抱えています。
ですから、「周囲の国々を巻き込みながら、かつ独立性を保っていく」という傾向が強くなります。
先日、首相が日韓併合に対する談話を発表しましたが、併合してから今年でちょうど100年です。それで今回の談話に野党だけでなく与党からも反発が出ていますが、その背後に「日韓基本条約」があります。先日、NHKスペシャルでこの条約が結ばれたドキュメンタリー番組がありました。大変、感動しました。お互いの日韓併合の意味づけに違いがあったけれども、微妙な言葉遣いのすり合せによって合意に至った経緯を知りました。
確かに日本が行ったことは、私も遺憾であったと思います。けれども、なぜ歴史認識に違いが出てくるのか?それは、日本が強制的に条約を結ばせたということもできるし、「いや、国内で積極的に結ぶことによって国の生き残りを図った人たちがいたからだ」という見方もできます。このような微妙な見方の違いは、「周囲の国々を巻き込む」けれども「独立を保とうとする」という、一見相矛盾するこの半島特有の行動に起因しているのです。
韓国に批判的な人々は、韓国の日本への挑発行為を取り上げます。竹島(独島)問題であったり、対馬を自国の領土に主張するとか。けれども、日韓基本条約のおかげで、そんな小競り合いにもならない感情的対立は、これまでの日韓の相互発展と膨大な交流の中で雲散霧消します。これを主導した岸信介と朴正熙は偉大な政治家だったと認識しました。
二人の行動は、それぞれ島国根性と半島根性を乗り越えた、数十年先を見越した大人の決断でした。そんな韓国でも前大統領の盧武鉉氏は、内向き外交に後退し、過去ばかりを見つめ、北朝鮮に対する片思いで終わってしまいました。
けれども国民は李明博氏を大統領に選び、国全体にバランス機能が働いています。ですから基本的に半島根性を乗り越えていると思いますし、日本も韓国をこれからとても大切にしていかなければいけないと思います。
問題は北朝鮮です。
北朝鮮の人たちが何百年も「自由」という空気を吸っていないことをご存知でしょうか?朝鮮王朝の時代は今で言う「独裁制」でした。強権であり、そこには自由はありませんでした。そして日本の植民地化です。それから今の金日成・金正日体制が始まりました。一般の人々がいつか自由の空気を吸うことができれば、と願ってやみません。
彼らは完全な閉鎖体制を作りました。外部からの情報も遮断し、ラジオも半田で他の局に合わせられないようになっています。そしてその柱になっている考えは「主体(チュチェ)思想」です。すべて自分たちの力だけで国を強大にしていくのだ、という考えです。
けれども、彼らは同時に外部からの援助を受けなければ死に絶えてしまうことをよく知っており、諸外国の援助は死活問題です。しかし、矛盾することに自分たちの国を完全閉鎖し、国の主体性を守らなければいけません。
そこで彼らは、いわゆる「挑発行為」を行ないます。少し前はミサイルを打ち上げ、最近では、韓国海軍の哨戒船を沈没させ、そして中東諸国やテロリスト団体に武器技術輸出を行ない、この地域と世界全体を不安定にさせます。そしてこの安定化のために、米国、日本、そして韓国、また中東であればイスラエルをも動かせ、そして最終的に米国から援助を引き出すという戦法を、ここ何十年も取っています。
米帝とその傀儡の南朝鮮を打倒すると叫びながら、最も頼りにしているのは米国と韓国なのです。私たち日本人にはあまりにも歪んでいて、頭がおかしくなりそうな考えです。
でも、これを一言でいうと「甘えん坊のガキ」です。道端でだだを捏ねて、周囲の人に迷惑をかけることによって、自分の欲しいものを獲得する姿です。こうした国への対処法は何でしょうか?
進歩派の人たちは「対話と援助」と言っています。保守派は「圧力と経済制裁」と言っています。私は「完全無視」をしたら良いのかな?っなんて思っています。
そういう意味で、北朝鮮は少しパレスチナと似ていて、また、隣のイスラエル国に依存しながらも敵対したエドムにつながるものです。