ちょうどイスラエル旅行に行っている時に、この事件が起こりました。私たち旅行者は日々の旅程をこなすことで忙しくて、新聞の記事をちらっと見る程度でしたが、帰国して初めてこんなに騒がれているのかと驚きました。いつものことながら、イスラエル当地はいたって静かで平穏でした。
マスコミと国際世論の反イスラエル論調は相変わらずですが、これまでより勢いを増していたと思います。「支援船」とは隠れ蓑であり、実際はイスラム過激組織につながりのある乗員たちによる暴力行為でありました。下の動画をご覧ください。
イスラエルを一個の主権国として見れば、軍が取った行動は至極当たり前なのですが、最近辞任したワシントンの取材記者の発言のように、この行動を非難するということは、つまりは「イスラエルのユダヤ人はポーランド、ドイツ、アメリカに帰ってしまえばよい。」ということを言っているに等しいです。
そしてこれまでの伝統的なイスラエルとの強固な関係を壊しているオバマ政権が、今回も国際世論に同調しているのを見るにつけ、唯一、欧米に残るユダヤ・キリスト教価値観の崩壊を感じます。アメリカが聖書の中でどこにも出てこないのは、このためかと思わされます。(注:このリンク先の動画もご覧ください。この共和党議員による勇気ある発言に脱帽です。)
そしてガザ封鎖の現実を知っているのは、イスラエルの他にパレスチナもエジプトもそうなのです。ハアレツ誌にこういうのがありました。
水曜日(6月16日)のホワイトハウスでのオバマ大統領との会談で、パレスチナのアッバス議長は現状の段階でガザの海上封鎖を解除することには反対であると述べた。理由は、これによりハマスが強化されるからだという。
エジプトもまたこれに賛成している。
この海上封鎖の件は水曜日のオバマとの会談では主要な議題であった。
イスラエルは全ての国に攻撃されるというのは、終わりの日に起こる中心的な出来事であり、今回の事件もそれを如実に表しているのですが、けれども今回注目したのはトルコの激しい反応です。ここで私は、「ああ、やはりトルコか。」とエゼキエル38章を思いました。
エゼキエル38章には、マゴグ(ロシア南部)が筆頭となって、次にペルシヤ(イラン)が、そしてプテ(リビア)やクシュ(エチオピヤとスーダン)など、北アフリカがいっしょにイスラエルの地を攻めますが、それ以外に「北の果てのベテ・トガルマ」がいます。これはトルコです。また「ゴメル」をドイツ、「メシェクとトバル」をロシアの町という解釈もありますが、どちらもトルコの中にあるという解釈もあります。
ですが、これまでトルコはイスラム諸国の中で唯一、イスラエルの友邦国であり、軍事協定も結び、イスラエルにとって非常に重要な国であり続けました。
ところがそれが一変したのが、08-09年に起こったガザ戦争です。そして今回のガザ船拿捕事件で、トルコ首相と一般国民は炎上しました。ハード面において彼らがイスラエルと縁を切ることはまだできないと思いますが、感情的には完全に切れています。
そしてトルコは、イラン、そしてロシアとも外交的に急接近しています(もともと良い関係ではありましたが、反イスラエルにおいても同調しています。)。
関連記事を下に紹介します。
友好国トルコとの関係悪化 イスラエル、支援船拿捕(朝日新聞)
トルコ=イスラエル関係(岡崎久彦氏のブログ)
英語が分かる方はぜひ次の記事をお読みください。Koinoniaのチャック・ミスラー氏によるものですが、歴史的に今のトルコを紹介しています。
The Treacherous Trio of Ezekiel 38
かつてのオスマン・トルコ領が、エゼキエル38章にあるイスラエルを攻める国々の地域と非常に似ているということです。
エゼキエル38章の地図
オスマントルコの地図
そしてその他の英文関連記事も紹介します。
RUSSIAN, IRANIAN, TURKISH LEADERS MEET(ロシア、イラン、トルコの会合)
Ahmadinejad Stresses Need for New World Order (アフマデネジャドが世界新秩序の必要性を強調)