オリンピックに見るアラブの病気

卓球をしていた私は、いつも卓球の試合の動画を見るのが好きですが、リオ・オリンピックにおける卓球選手の活躍はずっと見ています。特に、水谷隼選手のオールラウンドのフォームは本当に美しいです。

そんな中、話題になったニュースで、そうだよなと分かりつつも、げんなりさせられたニュースがありました。柔道の試合で、イスラエル選手の握手をエジプトの選手が拒んで、大きな非難が起こり、ついに帰国処分にさせられたというものです。(ブログ記事

柔道男子100キロ超級1回戦でオル・サッソン選手(イスラエル)からの握手を拒むイスラム・エルシェハビ選手(エジプト)Photo: Associated Press
柔道男子100キロ超級1回戦でオル・サッソン選手(イスラエル)からの握手を拒むイスラム・エルシェハビ選手(エジプト)Photo: Associated Press

そこで、この問題に真正面から取り組んだ、非常に良質な記事を読みました。 続きを読む オリンピックに見るアラブの病気

MBF(マラナサ・バイブル・フェローシップ)2016年

先週、静岡にある教会の兄弟姉妹と私たちの教会LCFが、清里にある山梨県立八ヶ岳少年自然の家で、キャンプを持ちました。

“Surely I am coming quickly.” Amen. Even so, come, Lord Jesus!
マラナサ・バイブル・フェロシップ
2016 in 清里
8 月10 日(水)、11(祝木)、12 日(金)

清里の現地の気温は最低が15度ぐらい、最高が25度くらいという涼しさで、非常に体を休めることができ、主に感謝でした。心地よい眠気もあり、東京の暑さで体力をかなり消耗していたのを知りました。一日目は、静岡城北キリスト教会の牧者、見城和人さんが、二日目は、私が二回に渡って「異邦人の時」の題名で説教を二つしました。

「異邦人の時」(原稿 ・ 発表
音声1(ダニエル書)
音声2(黙示録とテサロニケ第二)

二日目の自由時間には、清里の観光をしました。清里の歴史は、宣教師たちの村おこしが始まりです。特に聖アンデレ教会の畳部屋の礼拝堂は感動しました。

詳しくは、こちらのブログ記事をご覧ください。「神の国を相続する

患難前携挙説への攻撃

先日、教会にいる方が、今、人気のある本として貸してくださったのが次の本です。

「小羊の王国」(岡山英雄著 いのちのことば社)

今、最初のほうを読んでいますが、いや~、びっくりします。神の大患難からキリスト者が救われる、という患難前携挙説を、テモテ第一1章にある「空想話」にまで断定してしまっています。最近、日本の福音派の学者さん、先生方の一部が、この信仰の持ち方を攻撃しています。おまけ反ヤスクニ闘争にあるような世俗にある反政府的行動を聖書的に肯定、後押ししていく文面もあります。逆の振り子、極端、危うさを見ます。

患難前携挙説を、「教会が、・・地上で苦しみを受けることはない」として紹介しているところから、間違っています。聖書には、世が聖徒たちに加える苦しみがあり、そして神がそのような悪や不正に対して下す、裁きとしての苦しみがあります。前者の「患難」の源はサタンであり、後者の患難の源は神ご自身です。キリスト者は、後者の御怒りから救われたという大前提があります。

患難前携挙説は、そのような世からの激しい迫害と苦しみを受けているキリスト者が、この世に対する激しい怒りを終わりの日に神が示されることを、畏れかしこみつつ知って、神の救いを宣べ伝えることに他なりません。復讐を神の御手にお任せする姿勢です。そして、自分たち自身にも神の怒りを受ける要素が多分にあるにも関わらず、それでもキリストの血潮によって洗い清められ、義と認められたのですから、それゆえ、神の怒りである患難から救われる、という神の恵みによる救いを持つ姿勢です。 続きを読む 患難前携挙説への攻撃

共和党、民主党、キリスト者

寛容を掲げる人たちにある非寛容

米大統領選について。私たちの日本語の情報は、米国内の主要なマスコミに頼っています。そしてその情報によって、私たちはいつの間にか、米国政治のイメージを形成しています。共和党=タカ派、好戦、であり、民主党=ハト派、平和、であり、「キリスト者が共和党を支持するなんて、信じられない。」とまで思っている人もいるのでないでしょうか。

殊に、今回の候補は暴言で問題視されるトランプ氏です。共和党の中、保守派でさえ亀裂が走っている中で、トランプ氏を支持するキリスト者がいることについて、「福音の本質から離れている」など、まるで信仰を捨てたと言わんばかりの発言を、ある日本の信者の発言に読みました。

私は、どちらが攻撃的なのか?と思っていました。トランプ氏の暴言を批判するまでは良いのですが、その使っている言葉は負けず劣らず排他的であり、トランプ氏とその支持者を人格まで否定するものなのです。

ここに、社会実験をした方がいます。共和党と民主党のそれぞれの全国大会において、その会場でプラカードを掲げます。共和党全国大会では、「私はヒラリーを愛しています」と書かれたもの、民主党では「私はトランプを愛しています」と書かれたものを掲げました。

続きを読む 共和党、民主党、キリスト者

「戦後70年 荒野で叫ぶ者の声」

今朝、見つけたサイトです。

戦後70年 荒野で叫ぶ者の声

これには正直、驚きました。 戦後70年の最後の日となる8月14日に悔い改めの聖会を開くということですが、その趣旨論文を見て、日本の宣教を考える中で私もこれまで悩んでいたことが、これほどまで、上手にまとめられている論文はありませんでした。そして、同じ思いを持っていた方がおられたことには正直、驚いています。

戦後70年、荒野で叫ぶ者の声(宣教師訓練センター 石野博著)

ここのブログを立ちあげた初期からずっと取り上げていた問題や祈りの数々がほとんど全て盛り込まれています。これは本当に優れた論考であり、そして祈りへの呼びかけです。

「相模原障害者施設殺傷事件」と私たち

ブログ記事では、兼ねてから、世界各地に広まっているイスラム国によるテロを取り扱ってきましたが、日本では戦後最大と呼ばれる殺傷事件が起こりました(ウィキペディア)。しかもそれが、障碍者に対するものであり、世界にも大きな衝撃が走りました。

同じ境遇の者による攻撃

実は、先月22日に、ドイツで連続的にテロが起こった中で、必ずしもイスラム主義ではない事件が起こっています。マクドナルドにいるトルコ系のムスリムの子たちに向かって、イラン系の少年が銃乱射したのです。イスラムの聖戦主義であれば、同じムスリムを狙うことはありませんが、それとは違った系統です。実は、少数派が同じ少数派に対して差別をし、攻撃的になるという複雑な事情が背後にあるようです。イラン人の中に自分たちはアーリア系(白人)であると位置づける人種優越思想が流布しているそうです。それに感化された可能性があるそうです。同じように、欧州における反ユダヤ主義があり、それは少数派で差別を受けているムスリムが、同じ少数派であるユダヤ人を攻撃しているという構図があります。つまり、「いじめられている子が、いじめっ子になる」ということです。(参照記事:「ミュンヘン銃乱射事件の被害者9名のうち8名が「トルコ系」で7名はムスリムか」)

そして、今回の相模原市にある知的障碍者施設における殺害事件とその事件が重なりました。なぜなら、元職員が行なったもので、しかも、自ら精神疾患があり、優生思想に侵されていました。それで、上のミュンヘンでの事件と重なりました。

悪魔が正体を現す

世界の現象はイスラム主義が原因とされてきましたが、実はもっと霊的なことではないかと思います。

悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。(ヨハネ8:44)」

悪魔が、その正体と牙を表してきました。イスラム思想研究者の分析では、一匹狼型のテロには「呼応型テロ」という言葉が使われてきました。(関連記事:「イスラーム国の衝撃」)けれども、何に呼応しているのか?もはや、ジハード思想ではなく悪魔そのものです。実はイスラム国でさえ、思想による触発、呼応であっても、究極的には悪魔の呼びかけに応じているのです。「神に従いなさい。悪魔に立ち向かいなさい。」と主は言われました。私は、容疑者が罪を悔い改め、キリストの十字架のところに行くように神さまに祈りました。

優生思想に呼応 続きを読む 「相模原障害者施設殺傷事件」と私たち

AIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)とは?

日本会議と比べられるのは不快ですが、分かり易くAIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)について直球の説明をしています。この説明から、唸らされる程のイスラエルの現実を知っているのは必要です。

https://youtu.be/BsYhJ893xQA

超大国を執り成し、生存を図るユダヤ人

このビデオは、脅威的なものとして語られていますが、イスラエルという国は、逆に、それだけの他国が決して受けることのない尋常ではない脅威を、これまで、周辺国家やイスラム教の国々から今に受けるまで受けています。ユダヤ人の長い歴史の中で全滅を目論む勢力に対して、どのように生き残るのかということを前提に考えて生きています。受けている脅迫は、文字通りの抹殺です。

そして私たちの信じる聖書には、そのことを初めから証言しています。ヘブル人の男の子がナイル川に投げ入れられる所から始まり、ペルシヤにおいては文字通りのユダヤ人全滅の勅令が王から発布されました。そしてエステルのように、当時の超大国の王への執り成しによって、主が絶滅の危機を逆転されることもされます。AIPACは、そういった意味で、超大国であるアメリカを味方に取り込み、生存し続ける執念のような政治的ロビー団体です。 続きを読む AIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)とは?

「イスラエル建国史」滝川義人著

重厚な建国の歴史紹介

先の、「サイクス=ピコ協定」についての書籍の紹介で、時のユダヤ人の離散と帰還についても触れましたが、ここで思い出したのが、ハーベストタイム・ミニストリーズ出版の冊子で連載された、以下の「イスラエル建国史」です。

「イスラエル建国史」バックナンバー

紀元後70年のローマによるエルサレム破壊によって離散したユダヤ人が、どのように離散した地で社会を形成し、それから近代に入り、祖国帰還が起こったかを概観することができます。この重厚な内容を無料で読めるのは、凄いです。

BFPのティーチングレター「奇跡の国-イスラエル -前編-」から

ちなみに、以前紹介した、物語調の本「イスラエル建国の歴史物語」が読み易いと思います。そして、しっかりとイスラエル近現代史を知りたい方は、邦訳されたものとしては「イスラエル全史」をおすすめです。

左翼と陰謀論の反シオニズムには注意 続きを読む 「イスラエル建国史」滝川義人著

「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」②

サイクス=ピコ協定 百年の呪縛前記事①においては、本書の前置きの話で終わってしまいましたが、ここから中身に入ります。

ダニエル書にある世界帝国

私は、この本に衝撃を受けたのは、まず、ダニエルの見た幻にある「世界帝国の姿」の続きを見たからです。ダニエルは、ユダの国とエルサレムが神によって引き抜かれた後の、異邦の諸国、殊に世界帝国となった国々の興亡の幻を見ました。ネブカデネザルは、金属によってできた人の像であり、金がバビロン、銀がペディヤ・ペルシヤ、青銅がギリシヤ、鉄がローマ、そしてその後の世界はローマの影響を残しながら緩くつながり統合できていない、粘土と鉄のまじりあった姿を描いています。足の指はもちろん十本です。

The great image that God revealed to Nebuchadnezzar in a dream was interpreted by the prophet Daniel. Each section represents a world-ruling superpower. Each succeeding metal is less valuable, but each succeeding metal is stronger, as each empire was more powerful than the last.
The great image that God revealed to Nebuchadnezzar in a dream was interpreted by the prophet Daniel. Each section represents a world-ruling superpower. Each succeeding metal is less valuable, but each succeeding metal is stronger, as each empire was more powerful than the last.

続きを読む 「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」②

「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」①

サイクス=ピコ協定 百年の呪縛先日、池内恵氏による「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」を完読しました。

「いまや中東の地は、ヨーロッパへ世界へと難民、テロを拡散する「蓋のないパンドラの箱」と化している。列強によって無理やり引かれた国境線こそが、その混乱を運命づけたとする説が今日では主流だ。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。危機の本質を捉える緊急出版!」(新潮社のウェブサイトから)

終末論や陰謀論をまともに扱ったイスラム研究者

その前に、私の読書の中での池内恵氏との出会いを紹介したいと思います。その付き合いは、2001年の米国同時多発テロの起こった後に出版された、「現代アラブの社会思想 ― 終末論とイスラーム主義(本ブログ記事)」からでした。今でさえ、現実の世界趨勢として、差し迫った危機として一般社会でも認知されていますが、当時、「終末論」や「イスラム主義」を直球で、まともに取り扱っていたのは見ることはなく、私は、アメリカの聖書教師によるものしか知りませんでした。池内氏はキリスト者でもなく、ムスリムでもないのに、どうして、等身大のイスラムの世界をこれほどまで精緻に描写できるのか、とても不思議でありました。 続きを読む 「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」①