ついに、私の頭の中の戦中、戦後史、情報史学(インテリジェンス・ヒストリー)と呼ばれるものの中で、次の本を完読しました。
江崎道朗さんの一連の著作、すなわち「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」そして「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」が前著にありますが、それは、先の大戦とその後の米国の対日姿勢の中に、ソ連からのコミンテルン(国際共産主義運動)の分断工作があった、というものです。
ルーズベルト大統領の政権の中枢に、ソ連からのスパイがかなり浸透しており、ルーズベルト自身が誤った政策によって、彼らに利することになりました。日本は日本で、コミンテルンの影響力工作によって、右翼の全体主義化が起こり、中国大陸への深い浸透と拡大を引き起こし、英米をそこに巻き込ませた、また統制経済における失策で、これまたコミンテルンを利する行動をしてしまった、ということです。
その中で、日本国内では民主主義的な立憲君主制、そして経済の自由主義を奉じる保守自由主義者らの存在を浮き彫りにし、彼らも戦時中は、弾圧の的になり、そして米国では、日本を叩いたら東亜の共産化の歯止めが取れてしまうと懸念する、保守派の存在を浮き彫りにし、しかし、彼らの声は政権内では当時、小さかったことを述べていました。