「神の会議」超自然の世界

 非常に、興味深い話が、聖書プロジェクト(Bible Project)で始まりました。それは、「超自然の世界」シリーズです。聖書は、私たちが目にしている世界だけでなく、目に見えない霊的な世界を描き、霊的な世界から、聖書全体に貫かれている、神の贖い(救い)のご計画を描いています。

  組織神学の世界では、「天使論」と呼ばれる領域に入るでしょう。けれども、そういった枠組みでは収まらない、非常に興味深い聖書研究をしている旧約聖書学者がいます。マイケル・ハイザー(Michael S. Heiser)という方です。彼は、詩篇82篇の箇所から、従来の神々(エロヒム)の考え方を変えるような、けれども聖書釈義においては一貫性をもった論を展開させています。

 神(エロヒム)はただ唯一であり、神々(エロヒム)と呼ばれているものは、偶像であり存在しないというのが従来の考え方でした。けれども、以下の箇所にあるように、明らかにエロヒムというのが、あくまでも「肩書き」であって、唯一神のことだけを指しているのではないのだということです。

「詩篇82:1 神は神の会議の中に立ち神々のただ中でさばきを下す。続きを読む 「神の会議」超自然の世界

Bible Projectのすばらしさと注意点

(3月5日のフェイスブックの投稿です)

聖書プロジェクト BibleProject – Japanese

 今はSNSの時代、すべてのことが短く端的にまとめられていることが問われている時代になっています。その中で、聖書全体で何が語られているのか?をアニメーションと共に説明するBible Projectは、非常に優れた教材です。昨日も、教会で次からローマ人への手紙の講解に入るので、ローマ人への手紙の2つの動画を観ました。

 ただ、一つの不安がよぎりました。「じっくり聖書を自分で読んだ人には、整理するのに有益だが、その逆であってはいけない。」ということです。つまり、この動画を見て、それでその解説に沿って聖書を読み、それこそが聖書の教えていることなのだと同一視する危険もあるからです。

 全体の流れを把握する時も、その把握している人によって、視点が少しずつ変わってきます。ローマ人への手紙の二つの動画も、とても分かりやすく、気づかされた点が多くありましたが、「ここは、ちょっと?」と思われる部分もわずかにありました。当然ながら、作成者の聖書理解の枠組みが影響されています。

 それで、ある人は批判をし、またある人はこれを信じ込んでしまい、他の読み方をする人々を裁いてしまいます。元々の問題がなおざりにされており、それは、「聖書を自分自身で読んで、悩みつつ、求め続ける」という姿勢の欠如だからです。 続きを読む Bible Projectのすばらしさと注意点