「親パレスチナ」の人に言いたい事

「パレスチナがイスラエルに”占領”されている」「ユダヤ人国家としてパレスチナ人を”隔離”し、”民族浄化”を目論んでいる。」「パレスチナ人は”分離壁”によって、移動の自由も奪われ、経済的にも”搾取”されている。」「イスラエル軍と入植者の”暴力”に苦しめられている。」

このような話を聞いて、「反イスラエル」「反シオニズム」という「反感」、酷くなると「敵愾心」になりこそすれ、パレスチナを愛し、親しむという思いは出てくるのでしょうか?「親パレスチナ」ならば、イスラエルを抜きにしても、なおのこと親しみと愛着を感じる、パレスチナの良さ、その誇るべきことを伝えるべきなのではないでしょうか?そして、そのような誇りを伝えることが、「平和」へ手助けになるのではないかと、という疑問を抱いています。

私自身の”親”パレスチナ旅行記をここにご紹介します。

ヘブロン旅行記

ラマラ・ナブルス旅行記

ベツレヘム旅行記

エリコ旅行記

ここでの経験から私は二つ、自分の”親”パレスチナの立場を紹介します。 続きを読む 「親パレスチナ」の人に言いたい事

イスラエルがアパルトヘイト国家??

イスラエル国家は、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)国家と類似しているというプロパガンダがあります。一度、グーグルで「イスラエル アパルトヘイト」と検索してみるとよいでしょう。以下は社会的実験をしてみたビデオです。「白人だけ」「黒人お断り」という標識と同じように、テルアビブの通りや海岸で、「ユダヤ人だけ」という標識を掲げてみたら、イスラエル人がどう反応するかを見ています。

なぜ、私がここでこのような記事を投稿しているかと言いますと、イスラエルに行って実際に見て、そのような宣伝があまりにも馬鹿げていることを知っているからです。アラブ人やムスリムが街の通りを歩いている姿はあまりにも多すぎて、人々は気にも止めません。黒装束のユダヤ教徒とヒジャブを被ったムスリム女性がすれちがったり、電車ではムスリム女性とイスラエル兵士が同じ椅子で隣に座り、それぞれがスマホを眺めていたりしているので、「あまりにも溶け込み過ぎ、よく共存できているな?」と私のほうが、人々を隔離している自分の心を恥じるほどです。 続きを読む イスラエルがアパルトヘイト国家??

入植地にある平和と共存

以下のビデオを何度も見て、涙しました。

これは、「ソーダストリーム」という会社で、イスラエルのネゲブに工場を持つその姿を表しています。ユダヤ人、イスラエル系アラブ人、そしてパレスチナ人が共に働いている姿、なんか夢の中にいるような風景です。

この会社は、かつてヨルダン川西岸地区内に工場を持っていたため、世界のBDS(イスラエル製品ボイコット運動)の攻撃を受け注目を浴びた所です。「入植地」「イスラエルの会社」ということで、搾取の象徴であると断罪していましたが、自治区の経済はずたずたで失業率が高く、現地パレスチナ人の大きな働き口は入植地におけるものなのだ、ということは現地では常識となっています。しかも、イスラエル国における労働規定がありますから、イスラエル領地内の賃金や福利厚生を平等に提供しなければならないので、相対的に、パレスチナ人としては賃金も、労働条件もはるかに良い環境で働くことになります。 続きを読む 入植地にある平和と共存

クリスチャン・シオニズムに対する誤解

三月初めに、以下の会議の内容をオンラインで見ました。

Christ at the Checkpoint Conference 4

パレスチナ自治区における、福音派の聖書学校「ベツレヘム聖書大学」と関連の深い、パレスチナ人クリスチャンの主催の会議です。彼らの立場からのイスラエルとパレスチナの問題、そしてクリスチャンとしてのイニシアチブを提起している会議です。この会議、特に今回のは、クリスチャン・シオニストと呼ばれる人々から多くの批判を受けました。

その中で深い懸念を持っていたユダヤ人信者の神学者、伝道者である、ミカエル・ブラウン氏が、その主催者の一人、ムンター・アイザック氏にラジオ番組にて、率直に意見を交わしています。

Dr. Brown Interacts with a Palestinian Christian and Sets the Record Straight about Saul Becoming Paul

DrMLBrown
ミカエル・ブラウン博士

以下はフェイスブックで書いた投稿です。

ユダヤ人信者が、パレスチナ人の福音派の指導者と、先日行なわれた「検問所におけるキリスト」会議について、率直な意見を交わしています。

私は、このカンファレンスの内容には正直、非常に当惑しました。ミカエル・ブラウン博士は、明確に相手のムンター・アイザック博士に質問をしたことによって、またアイザックさんも冷静に返答していることによって、互いの違いがはっきりしたと思います。意見ははっきり違いながら、キリストにある兄弟であることを確認する、非常に大人の会話でした。

ムンター・アイザック博士
ムンター・アイザック博士

パレスチナ人クリスチャンの提起している、「クリスチャンのシオニズム」すなわち、神のユダヤ人に対する選びが今も有効であるという立場への疑問は、日本の教会の多くも共有しているのではないかと思います。

①ユダヤ人が土地に戻ってくる、国を建てるという預言について、パレスチナ人のクリスチャンは「それでは、ずっとそこに住んでいた私たちはどこに住めばよいのか。出ていけということか。」という問題について。 続きを読む クリスチャン・シオニズムに対する誤解

キリストの御国とカリフ制

ぜひじっくりと観て、それからご紹介したい三つの記事があります。先に紹介した「第三の標的」の著者である、ジョエル・ローゼンバーグ氏によるものです。(ちなみに、当ブログで「ジョエル・ローゼンバーグ」を検索にかけると、彼がこれまでどのようなことを話し、行なってきたかフォローできます。)

後で、特に②と③は情報を追加していきます。なので、またこちらのブログに後でいらして、続きを読んでください。:)

① 黙示的イスラム教の終末論と聖書的終末論の違いは何か?

What’s the difference between Apocalyptic Islamic eschatology & Biblical eschatology?

ジョエル・ローゼンバーグ氏は、まず、「イスラム過激主義(Radical Islam)」の範疇をさえ越えてしまっている、「イスラム黙示主義(Apocaplytic Islam)」の脅威について述べています。シーア派においてはイラン、スンニ派においてはイスラム国が顕著です。彼らの考える神の国の到来を早めるために、不信者を文字通り滅亡させることを目的としています。アルカイダやハマスなどの過激主義は、攻撃はしこそすれ全て滅ぼすことまでは考えていません。

そこで、「終末論」そのものについてですが、これは聖書が強調している神のご計画の完成であります。では、新旧約聖書の持っている終末論は何か?これについて詳しく教えてくれています。 続きを読む キリストの御国とカリフ制

邦訳「第三の標的」!

去年、ご紹介した本「The Third Target(第三の標的)」が、なんと日本語に翻訳されました!これは絶対に、みなさん注文してください。一年前のですが、まだ現在進行中のイスラム国とヨルダンの関係を読むことができます。
theThirdTarget
第三の標的
著 : ジョエル・C・ローゼンバーグ
定価 : 1,000円(+税)

ちなみにたった今、その続編であるThe First Hostage(第一の人質)がちょっと前に出版されて早速Amazon.co.jpで注文して、到着するのを待っている最中です。

サイード・アベディニ牧師の釈放

昨日、そして現在進行中で、すばらしい知らせが入りました。イランと米国の二重国籍を持っている、サイード・アベディニ牧師が三年前に、キリスト教徒への支援活動などを理由に拘束された米国人のサイード・アベディニ牧師に、禁錮八年の刑を言い渡たされ収監中でした。しかし、米国とイランの収容者交換の中で、四人の米国人が釈放され、その中にサイードさんが含まれていました。

イラン、米国籍のキリスト教牧師に禁錮8年(2013年の記事)

イラン人7人に恩赦、米国人4人釈放と引き換え 米政府(昨日の記事)

サイードさんのために、全米のキリスト教会が熱心な祈りを捧げてきました。(ウェブサイト)奥様のナグメさんは、カリフォルニアで救われ、アイダホ州にあるカルバリーチャペル・ボイシでご両親も救われた方で、カルバリーチャペルの中では有名人としてよりも、同じ家族として心に留め、祈っていた人が多いと思います。

カルバリーチャペル・コスタメサでのインタビュー(2年前)

Naghmeh Abedini from Calvary Chapel on Vimeo.

彼女は生まれはイランで、育ちがアメリカです。米同時多発テロの後にカルバリーチャペルから遣わされイランに行った時に、サイードさんに出会いました。元ムスリムで、イランの地下教会で大きく用いられていた人でした。危険が増したのでイランを去り2005年にアメリカに戻り、彼も米国籍を得ました。そしてカルバリーチャペルで奉仕をしていました。 続きを読む サイード・アベディニ牧師の釈放

「愛の軍隊」

今日は、いつもと違い、礼拝の後、午後に上野公園で伝道をしました。

愛のうちに歩みなさい
(教会の兄弟のブログ、今日の一日の恵みの報告です。)
Nasrani Shirt
その中で、今日はNasraniのTシャツを着ている姉妹がいて、私が「ムスリムの人が目に留めるかもしれません。」と言ったら、他の人が、「首を切られないようにね。」と冗談を言っていました。私がブログ等でイスラム国のことばかり話しているから、ちょっと反省。(笑)ネットで、とても懇意にしていただいている、ムスリム伝道に従事している兄弟から、ムスリムの人々のことをたくさん学んでいます。多くの人が、無神論ではなく神を信じている人を根本的に信頼、尊重しているということであり、議論の中で喧嘩のようになっても、基本的にその対話を楽しんでいる、と教えてくださいました。むしろ、世俗的な人たちよりも純粋で、イエス様の話を聞いてくれると聞いています。

という前置きで、改めてとても感動的な映像を紹介します。イスラム国の戦闘員に向かって語りかける伝道になっています。題名は、「十字架の民からの手紙、誰が敢えてISISを愛するのか?」です。(映像があまりにもきれいなので、右下の全画面に拡大するボタンを押してご覧になると迫力があります。)

【粗い日本語訳】

The world is talking about you.
Your apocalyptic dreams and spectacular sins
Are now awakening the Middle East.
In your holy war, come to holy ground.
Come, children of Abraham, come.
The people of the cross gather at your gates with a message:
世界は貴方のことを話している、
あなたの終末の夢と著しい罪は
今、中東の目を覚ましています。
あなたの聖戦で、聖なる地においでなさい。
来なさい、アブラハムの子らよ、来なさい。
十字架の民があなたの門口で、宣託を携え集まっています。 続きを読む 「愛の軍隊」

イスラム国戦闘員、イエス様に付いていく!

私たちクリスチャンは祈っていました、イスラム国がとんでもない数のクリスチャンを殺していく中で、私たちは、「どうか、クリスチャンを迫害したサウロが回心したように、彼らをクリスチャンにしてください。」と祈っていましたね。

あのエジプト人のコプト教徒の、勇猛な信仰の勝利と殉教エチオピア人のコプト教徒もそうでしたが、恐ろしい迫害が起こっている中で、神の御国は猛烈な勢いでそうした悪の勢力を制覇していきました。そこで、起こっているだろうとは思っていましたが、やはり起こっていました。

Report: ISIS Fighter Who ‘Enjoyed’ Killing Christians Wants to Follow Jesus After Dreaming of Man in White Who Told Him ‘You Are Killing My People’
(クリスチャンを殺すことを「楽しんでいた」ISISの戦闘員が、「あなたはわたしの民を殺している」と言った白い姿の男を夢で見て、イエス様に従いたいと思っている。)

【後記】上の英文記事を日本語に翻訳された記事があがりました。

「キリスト教徒殺害していた「イスラム国」戦闘員、夢でイエスを見て回心」

こうしたニュースは怪情報としてはありましたが、世界的に認知されている宣教団体YWAMの人が、クリスチャンの迫害を監視している、これまた世界的に認知された団体、VOM(Voice of Martyrs 殉教者の声)のインタビューで出てきた話です。

オリジナルのインタビュー

エチオピア人クリスチャンが、イスラム国によって殺され、殉教するビデオ
エチオピア人クリスチャンが、イスラム国によって殺され、殉教するビデオ

「中東でのYWAMの働き人が、今年初め、ある友人から連絡を受け、クリスチャンを多数既に殺していたイスラム国の戦闘員を紹介されました。これは、とんでもない状況で、彼が警戒したのは仕方がありません。・・・このイスラム国のジハード主義者は、クリスチャンを殺していただけでなく、それを楽しんでいたそうです。そのYWAMのリーダーに話したところによると、彼は白い姿の男が夢に現れて、「あなたはわたしの民を殺している。」と言ったそうです。そして、とても気分が悪くなり、自分のしていることに居心地が悪くなったとのこと。・・その戦闘員は、一人のクリスチャンを殺す直前に、そのクリスチャンが、「あなたは必ず私を殺すでしょう。けれども、私の聖書をあげましょう。」と言ったとのこと。そのクリスチャンは殺されましたが、戦闘員は聖書を取り上げ、読み始めました。もう一つの夢で、イエス様が彼に、わたしに付いてきなさい、と言われ、それで彼はキリストにしたがって、弟子になりたいと言っていました。」 続きを読む イスラム国戦闘員、イエス様に付いていく!

「ホロコースト追悼の日」から祈る

毎年、イスラエルでは「ヨム・ハショア」というホロコーストを追悼する日を守っています。ナチスによって殺害された六百万人の犠牲者を記憶するためです。イスラエルの暦なので毎年月日が変動しますが、今年は4月16日、すなわち昨日です。(2013年になりますけれども、日本人のイスラエル留学生が書いたブログ記事がこちらにあります。)

「立ち止まる」ところにある祝福

午前中10時頃、サイレンが鳴ります。広島や長崎でも原爆が投下された時にサイレンが鳴るそうですが、どうなのでしょうか、どれだけの人が立ち止まるのでしょうか。イスラエルでは高速道路でも車を停止させ、2分間の黙祷の時を持ちます。

イスラエルから学ぶことは「安息」です。どんなことをやっていても、何かを記念し、記憶するためには立ち止まることです。安息は私たちを縛るのではなく、自由にします。今、自分のしていることは本来、主ご自身の恵みによって行っているのにあたかも自分が行っているかのように錯覚します。しかし、立ち止まることによって本来あるべき姿に矯正されるのです。そして、そこにある自由を取り戻します。 続きを読む 「ホロコースト追悼の日」から祈る