バイデン米政権の中東外交 ― オバマ時代の再現か?

現地で信頼できなくさせている党派的政治

 バイデン米政権が発足してから、世界各地で関心が寄せられています。日本では、例えば米国務省の尖閣諸島に対する発言、国務長官の訪日に合わせて、拉致問題への連携をどのようにするかで注目が集まっています。全般的に見ますと、アジア外交は大きな変化が見られません。トランプ政権下のアジア担当者がそのまま後任になる場合もあるそうです。けれども、中東政策は、シンクタンクを含めて、国内政治対立とほぼ一致しています。

 バイデン政権は対中東では、対中のように信念がないように見えます。さらにトランプ前政権の成果、トランプ政権だったからという理由で、逆コースを歩んでいるかのようさえ見えます。

サウジアラビア人の見る米外交

 エルサレム・ポストの、在イスラエルのジャーナリストが、在アラブ首長国のサウジアラビア人の専門家にインタビューしている動画と記事をご紹介したいと思います。彼女のよどみなく出て来る分析は、これまでの私の感触や推測を、見事に可視化するような内容でした。

Political divisions make US foreign policy unreliable, Saudi expert says

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Bible Projectのすばらしさと注意点

(3月5日のフェイスブックの投稿です)

聖書プロジェクト BibleProject – Japanese

 今はSNSの時代、すべてのことが短く端的にまとめられていることが問われている時代になっています。その中で、聖書全体で何が語られているのか?をアニメーションと共に説明するBible Projectは、非常に優れた教材です。昨日も、教会で次からローマ人への手紙の講解に入るので、ローマ人への手紙の2つの動画を観ました。

 ただ、一つの不安がよぎりました。「じっくり聖書を自分で読んだ人には、整理するのに有益だが、その逆であってはいけない。」ということです。つまり、この動画を見て、それでその解説に沿って聖書を読み、それこそが聖書の教えていることなのだと同一視する危険もあるからです。

 全体の流れを把握する時も、その把握している人によって、視点が少しずつ変わってきます。ローマ人への手紙の二つの動画も、とても分かりやすく、気づかされた点が多くありましたが、「ここは、ちょっと?」と思われる部分もわずかにありました。当然ながら、作成者の聖書理解の枠組みが影響されています。

 それで、ある人は批判をし、またある人はこれを信じ込んでしまい、他の読み方をする人々を裁いてしまいます。元々の問題がなおざりにされており、それは、「聖書を自分自身で読んで、悩みつつ、求め続ける」という姿勢の欠如だからです。 続きを読む Bible Projectのすばらしさと注意点