「大航海時代の日本人奴隷-増補新版」

 キリシタン史に詳しい方が、日本人奴隷についてこの本がいいと薦めているコメントを読んだので、図書館で借りて手にしました。

キリシタン史への私の興味

 これまでキリシタン史については、とても興味を持って触れてきました。戦国時代から江戸時代にかけての昔のことであっても、本当に今の宣教について、多くのことを知ることができます。そして迫害史も知ることができます。日本での最大の迫害であるし、世界の教会史においても際立っていると聞いたことがあります。

 しかし、時の為政者がキリシタンを迫害したのは、宣教師の派遣国が日本を宣教師を通して植民地化しようとしているという見方を多く耳にしました。これは、大航海時代以後、キリスト教宣教と、帝国主義的な国の思惑から決して無縁ではないという、とても難しい問題であると感じています。

宣教と奴隷制度の関わり

 中でも、秀吉が伴天連追放令を出したのは、ポルトガル人が日本人を奴隷貿易にしているということを知り、それに激怒していたからだという見方も読みました。果たして、歴史的事実はどうだったのか?というのが、私の大きな疑問であり関心事でした。

 それで出会ったのが本書です。そのまま真っ直ぐに、「大航海時代の日本人奴隷」の歴史を、第一史料から取り扱っています。そして、「増補新版」がとても大切です。「補章」として「イエズス会と奴隷貿易」が追加されており、まさしく、これが宣教師たちが奴隷貿易に関わっていたことに触れている内容だからです。 続きを読む 「大航海時代の日本人奴隷-増補新版」

「中山防衛副大臣がユダヤ人権団体に告げ口」という中傷

オリンピック開催直前に、五輪開会式のディレクターが過去の反ユダヤ発言で解任されたというニュースが大きく取り上げられましたが、ユダヤ人権団体に、中山泰秀防衛副大臣が「告げ口」したという非難がネットを駆け巡りました。その問題について、フェイスブックに一連の投稿をしました。それを、ここにアーカイブとして残しておきます。

<中山防衛副大臣が伝える前に、
すでに把握、声明を準備していた、
ユダヤ人権団体>

 小林健太郎氏が、五輪開会式のディレクターから、過去の発言で解任されたことで、それをユダヤ人人権団体に通報したとして、叩いているコメント、ほんと多いね。

 普通の場合だったら、その批判、尤もなんだけれども、その人権団体、SWCの動きって、ものすごく徹底していて迅速だっていうのは、そこを取材した人たちは、良く知っている。「告げ口したから、SWCが動いた。」という前提が間違っているんですね。

 中川氏は、朝日新聞の取材に応えて、もう既にSWCが把握していたことを答えています。事実は、中山副大臣は国益のために、(もうすでに事態を把握しているであろうSWCに)、事情説明をしていたというもの。 続きを読む 「中山防衛副大臣がユダヤ人権団体に告げ口」という中傷

患難前携挙論者の見る、自説の問題

(フェイスブックに7月16日に投稿)

説の正しさの議論ではなく、それを伝えている人々にある過ち

 興味深いです。書いたご本人は、患難前携挙を信じている人です。ここで焦点を当てているのは、患難前携挙説の間違いではなく、それを伝えている人々にある過ちです。

 いわゆる「預言が外れた」ということで落胆する人たちが多いということ。それは、預言について熱狂し始めて、必要以上に「読み込み」を行い、イスラエルの回復など、すでに成就した預言に注目するのではなく、起こり得るシナリオに注目をしすぎて、再臨の時期を特定してしまう過ちです。主ご自身も、分からないと言われたのに。 続きを読む 患難前携挙論者の見る、自説の問題