国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ④

シルバートランペットから

Dear Secretary Kerry

こちらは、AJC(Global Jewish Advocacy)の代表、デービッド・ハリス氏による寄稿です。ケリー国務長官と個人的にも何度も会っているようであり、彼のスピーチが心からのものであることを同情している一方で、現実離れしていることを指摘しています。ケリー氏の指摘は、非軍事化された、民主的なパレスチナ国家ということであれば、可能なのです。けれども、無理な理由が主に二つあります。

①他の周辺アラブ諸国で起こったアラブの春の結末の、後追いをするのではないか?

パレスチナ代表のアッバス議長は、80歳代です。後継者は定めていません。既に西岸で権力闘争が起こっています。ガザ地区はハマスが掌握しましたが、これを機に西岸で力を持つことは十分にあり得ます。自治区が不安定になれば、イスラエルだけでなく、ヨルダンにも直接影響します(PLOがヨルダン国内の中に国を造ろうとして、フセイン国王が内戦を開始した「黒い九月」は有名)。

イスラエル人は大方、二国家案に賛成しています。けれども、同時に今の中東が大暴風が吹いており、相手側のパレスチナがイスラエル破滅を目標とする政体へとなるのではないか?という不安があります。平和を望むけれども、こうした深い懸念は十分に正当化できるものです。

②イスラエルの右傾化は、2000年以降から発展した衝突の蓄積の結果である。 続きを読む 国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ④

国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ③

シルバートランペットから

昨日は、夜更かしに加えて、ジョン・ケリー米国務長官の、国連安保理2334号の米国の棄権についての説明を、ライブで聞いてしまいました。そして、ネタニヤフ首相のジョン・ケリー氏の説明に対するコメントを聞きました。

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国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ②

フェイスブックから

・・私たちがイスラエルに関わるニュースを見る時、そして聖書を信じる者として見る時に、ぜひ知っていただきたいのは、イスラエルとパレスチナ、またその周辺との関係は、一面のニュース記事では決して語ることのできない、複雑な歴史を持っていることです。全ての歴史について言えますが、「誰が正しい」かという視点ではなく、「理解して、感じる。特に痛みを感じる。」という視点です。

まずもって、イスラエルの建国と直後の「独立戦争」を知らないと何も分かりません。世界に離散していたユダヤ人がどのようにして、どうして、約束の地に帰還することを願い、そうしたのか?そしてどのように建国、独立できたのか?それから、そこに住むアラブ人、また周囲のアラブ諸国との関係は?そして、米国政府の中にある国務省と大統領府の熾烈な政治戦。ここら辺を、生の人間を描くことによって、その悲しみと痛みと嘆きを見事に描き出しているのが次のノンフィクションの小説です。

「おおエルサレム!」

次に、知らないといけないのは1967年の「六日戦争」です。この戦争によって、トランス・ヨルダンによって占拠されていた東エルサレム、また西岸地域(ユダヤ・サマリヤ地方)をイスラエルが奪還しました。しかし、そこに関わる役者を全て、内在的に調べ、見事にその心の動きまでを描き出しているのが、次の書物です。 続きを読む 国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ②

国連安保理、イスラエル非難決議を採択 米国棄権 ①

年末に起こっている騒動を報告します。

国連安保理:反イスラエル決議を採択(オリーブの便りから)

Amir Tsarfati氏 中東アップデート 2016年12月23日 国連安保理議決、オバマ拒否権使わず(DIVINE USから)

Amir Tsarfati氏 中東アップデート 2016年12月27日 オバマの復讐第2弾(DIVINE USから)

Amir Tsarfati氏 中東アップデート 2016年12月28日 ジョン・ケリー演説

シルバートランペット Silver Trumpets

今年二月の聖地旅行の参加者の一人であった兄弟が、「音楽」と「世界・国内情勢」という二つの分野で、キリスト者ではない人々、一般の人々向けに、注意喚起の声として、聖書にある「銀のラッパ」として情報発信するFacebookページを立ち上げています。私は、世界や国内のニュース関連の発信でお手伝いさせていただいています(ニュース発信はその兄弟と私の二人によるものです)。ブログでは、情報発信の頻度が少なくなっていますが、こちらのサイトで確認していただければ幸いです。(下の画面をクリック)

音楽のほうは、ユーチューブで話題になっているゴスペル・シンガーの、出立堅太さんです。ウェブサイトもあります。

SILVER trumpets

「ドラマ 東京裁判」から学ぶ

今、東京裁判の四回連続NHKドラマを見ています。11か国からの判事の舞台裏を、生々しく描いていて、重い気持ちにもなりますが、非常に勉強になります。

「ドラマ 東京裁判」

そもそも「戦争を人が裁けるのか」という根源的な問いがテーマでありますが、それからは、ずれるのですが、私は11人の判事の、駆け引きとも言える人間模様の生々しさに興味をそそりました。そもそも「複人数の者たちが全く対等に、統一見解を歩調を合わせて出す。」ということ自体に無理があるなあ、と思いました。それぞれが、強い信念と正義感を持っています。そしてその「正義」には温度差があり、それぞれ異なり、意見が全く相反する人たちもいます。しかし、どこかで落としどころ、決着をつけなければ判決ができません。

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池上彰に物申す

在イスラエル日本人の方のブログ記事、紹介します。

池上彰に物申す

トランプ次期大統領の義理の息子ジャレド・クシュナー氏がユダヤ人ということで、「解説」なるものを週刊文春で池上さんが書かれたそうですが、まるで出鱈目のことを書いているので、それを正す内容です。

そうなんです、池上さん、キリスト教を含む三大宗教のことたくさん書いているし、中東やイスラエルについても書いているのですが、基本が全然なっておらず、びっくりすることがあります。かつて、三つの記事を書いたので、関心のある方は読んでください。

ここが変だよ!池上彰さん (その1)
ここが変だよ!池上彰さん (その2)
ここが変だよ!池上彰さん (その3)

突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する

イギリスのユダヤ教チーフ・ラビ、ジョナサン・サックス氏が、2016年9月27日に、欧州連合議会において、新しい形の反ユダヤ主義について雄弁に語っています。下は、原稿の英文を意訳したものです。

これまで、ロゴス・ミニストリーのサイトでは数多く反ユダヤ主義について取り扱ってきました。下の日本語の意訳の後に、関連記事をリンクします。

The Mutating Virus: Understanding Antisemitism(突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する)

ユダヤ人憎悪はユダヤ人で終わりません。ヒトラーによって苦しみを受けたのはユダヤ人だけではありませんでした。スターリンによって苦しめられたのはユダヤ人だけではありませんでした。イスラム国やアルカイダ、イスラム聖戦によって苦しんだのはユダヤ人だけではありません。反ユダヤ主義がユダヤ人だけに向けられたものであると考えたら大間違いです。これは、ヨーロッパに対する最大の危機であり、何世紀にも渡って達成した自由に対する脅威なのです。 続きを読む 突然変異したウイルス:反ユダヤ主義を理解する

「寛容」「謙遜」を装った聖書の否定

聖書の権威を巧妙に捨てていっている方法について、D.A.カーソン教授が語っています。英語が少し難しかったのですが、以下にまとめがありました。

D.A. Carson’s “Subtle Ways to Abandon the Authority of Scripture”

1.聖書を権威をもって教えている「福音派」とされている教会であっても、「これは、かなり否定的に聞こえる表現だ」というものであったり、「これを語れば、賛否両論が出てしまう」とか恐れたりして、敢えて語らないという傾向があるとのこと。例えば、癒しや異言など、聖霊の賜物の現代の有用性について。

私は、今の新改訳第三版の翻訳に大いに不満な部分がありますが、「らい病」の訳語を変えたその動機、また「(ユダヤ人の)捕われ人を帰す」がなぜか全て、「繁栄を元通りにする」とか、聖書翻訳の中にさえ、その書かれてある部分をぼかしています。聖書を教えている時は尚更です。(出版社のサイト続きを読む 「寛容」「謙遜」を装った聖書の否定

米大統領選を終えて

11月8日(日本は9日)に、アメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏が当確しました。このことについて、フェイスブックで祈りの思いを込めてかいた投稿がありますが、フェイスブックをやっていない方のために、こちらにも公開します。米国内としては、これほどキリスト者にとって、また一般の人々にとって、辛い選挙はなかったと思いますが、祈りの力を感じるものはありませんでした。そして世界的には、大きなうねりが国々に起こっているのを感じます。

わたしは、すべての国々を揺り動かす。(ハガイ書2:7)」

whitehousetrump

「トランプ氏、大統領に選ばれる」

先ほど、ライブで彼のスピーチを聞きました。アメリカの大統領選っていいなあと思うのは、どちらから決まったら、必ず対抗相手と話をします。そして敗けたほうがその選出を祝します。ヒラリーさんと話して、トランプ陣営をねぎらったそうです。それから、トランプさんもヒラリーさんの業績をほめました。そして、「私たちは分裂の傷を癒す時を経ないといけない」と言って、「私たちは一致団結した(合衆United)民なのです。」と言って、反対陣営にいた人も含めて、自分が大統領になり、そしてアメリカは一つなのだ、と語ります。このスポーツマン精神が、私はアメリカの好きなところ、強さだと思っています。 続きを読む 米大統領選を終えて