教会の最大の脅威:「イエス様のファン」

平和への妨げ「被害者意識」」に引き続き、「東アジア青年キリスト者大会(第六回2016年)」で語られたメッセージで、心に残っているものを紹介します。永井信義牧師(福音の群・東北中央教会牧師)によるものです。

音声:「イエスのファン? 」ヨハネ6章26-27節

クリスチャン新聞の記事:「恵まれるだけでなく、従って

nagai_shiぜひ音声を聞いてください、とっても面白いです!(中身は22分辺りから)とても深刻な(?)問題を、若者向けにチャレンジを与えるように語ってくださっています。福音書にある、イエス様に付いていっている群衆と、イエスの弟子との違いを話し、それから野球場における、ファンと選手の違いを話しました。ファンは「もらう」ためにイエス様を応援しますが、選手はイエス様のプレーの一部になることができます。自分を通してイエス様が生きて働いていること、その御業の中に入っていることを経験します。そこには「捧げる」ことが必要です。 続きを読む 教会の最大の脅威:「イエス様のファン」

イスラエルがアパルトヘイト国家??

イスラエル国家は、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)国家と類似しているというプロパガンダがあります。一度、グーグルで「イスラエル アパルトヘイト」と検索してみるとよいでしょう。以下は社会的実験をしてみたビデオです。「白人だけ」「黒人お断り」という標識と同じように、テルアビブの通りや海岸で、「ユダヤ人だけ」という標識を掲げてみたら、イスラエル人がどう反応するかを見ています。

なぜ、私がここでこのような記事を投稿しているかと言いますと、イスラエルに行って実際に見て、そのような宣伝があまりにも馬鹿げていることを知っているからです。アラブ人やムスリムが街の通りを歩いている姿はあまりにも多すぎて、人々は気にも止めません。黒装束のユダヤ教徒とヒジャブを被ったムスリム女性がすれちがったり、電車ではムスリム女性とイスラエル兵士が同じ椅子で隣に座り、それぞれがスマホを眺めていたりしているので、「あまりにも溶け込み過ぎ、よく共存できているな?」と私のほうが、人々を隔離している自分の心を恥じるほどです。 続きを読む イスラエルがアパルトヘイト国家??

入植地にある平和と共存

以下のビデオを何度も見て、涙しました。

これは、「ソーダストリーム」という会社で、イスラエルのネゲブに工場を持つその姿を表しています。ユダヤ人、イスラエル系アラブ人、そしてパレスチナ人が共に働いている姿、なんか夢の中にいるような風景です。

この会社は、かつてヨルダン川西岸地区内に工場を持っていたため、世界のBDS(イスラエル製品ボイコット運動)の攻撃を受け注目を浴びた所です。「入植地」「イスラエルの会社」ということで、搾取の象徴であると断罪していましたが、自治区の経済はずたずたで失業率が高く、現地パレスチナ人の大きな働き口は入植地におけるものなのだ、ということは現地では常識となっています。しかも、イスラエル国における労働規定がありますから、イスラエル領地内の賃金や福利厚生を平等に提供しなければならないので、相対的に、パレスチナ人としては賃金も、労働条件もはるかに良い環境で働くことになります。 続きを読む 入植地にある平和と共存

平和への妨げ「被害者意識」

ずっと前から投稿しようと思っていたことを分かち合います。今年初頭に香港で行われた「2016年東アジア青年キリスト者大会」(Three Together)ですが、そこでのメッセージで特に心に残ったものがいくつかあります。その中の一つを紹介します。

「東アジア地域宣教の状況と和解の必要」金ジョンホ(김종호)
音声 ・ クリスチャン新聞記事1

彼は、日本のKGKのような韓国の学生伝道団体KIVFの代表です。クリスチャン新聞記事の内容の一部をこちらに抜粋します。

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「「日本に対する被害意識を植え付けられて育った」と振り返った。ところが、十数年前に日本を訪ねたときに衝撃を受けた。日本人も自分たちが第二次世界大戦の被害者であるととらえていたからだ。昨年は長崎を訪問し、博物館で残酷さ、非人間的状況を見た。一方で、原爆を落とされるに至った理由を学ぶことがないという日本の姿に疑問を残した。「加害と被害の構図は一定ではない」と言う。「ベトナム戦争では、韓国も加害者になった。日本に統治された韓国が加害者となるアイロニーがある」中国の例もある。長崎に同行したある中国人のクリスチャンは、「中国人は民族主義的傾向が強い」と語った。「中国は何千年も世界の中心にいたが、現代では周辺国に劣るようになった。だが米国が国力を落とす中、今後中国が、世界一の強国になる可能性があります」
~~~~ 続きを読む 平和への妨げ「被害者意識」

感情の絶対化

前の投稿「「寛容」という名の「非寛容」」の続きの内容です。

「上」におられる神から、「心の中」の神を求める現代

この頃感じることで「人々が自分の感情を絶対正しいとしてしまっている。」ということです。次の記事に、このような文章がありました。

感情に支配された「絶対正しい」という考え

「だから、われわれは自分の感情が神のように絶対正しいと考える傾向がある。教師や上司の指導にとりあえず従っているフリをしていても、腹の中では自分の方が絶対に正しいと考えているようなときは、感情に支配されていると考えてまず間違いない。

自分の感情が絶対に正しいとする基準はどこにも存在しない。他人も自らの感情に基づいて、自分が絶対に正しいと考えている。人間が絶対に正しいと考えることは確実に存在する。ただし、それは複数存在するのだ。自分の感情に固執して周囲から孤立しないようにするためには、近現代人にとって感情が神の位置を占めていることをよく認識しておく必要がある。」 続きを読む 感情の絶対化

「ユダヤ人陰謀説―日本の中の反ユダヤと親ユダヤ」

Jews in Japanese Mind 「ユダヤ人陰謀説―日本の中の反ユダヤと親ユダヤ」

ご紹介する本はかなり前に出版されたものですが、日本における反ユダヤと親ユダヤについて非常に多くの文献を揃えた良書です。まずは「内容の紹介」から:

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日本人はなぜ、ユダヤ人が「好き」なのか!?

実際に接する機会はほとんどないのに、左翼も右翼も、知識人もジャーナリストもユダヤ人を語りたがる。その馬鹿げた空想の背景にあるのは、深刻な精神荒廃だ!

ユダヤ人に対する日本人の態度は日本の文化に深く根ざして、形づくられてきたものである。ユダヤ人の存在を知る以前すでに、日本には外国人との関係のもちかたに一定の形ができあがっていた。それが日本人がやがてユダヤ人について想像するようになったとき、その中身を決定する基盤になってきた。
歴史をとおして見ると、日本では外国人は畏怖の目で見られるか、あるいは反対に軽蔑の目で見られるか、いつもそのどちらかだった。
つまりよそ者は、恩恵をほどこす神々と見なされることもあれば、脅威をもたらす悪鬼であることもある。このように相反する感情が共存してきたことには、とても大きな意味があるだろう。――
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目次はこちらのサイトをクリックしてください。 続きを読む 「ユダヤ人陰謀説―日本の中の反ユダヤと親ユダヤ」

「寛容」という名の「非寛容」

「新しい寛容」

パット・ズケラン(Pat Zukeran)さんという日系のハワイの人で、キリスト教弁証者(apologist)ですが、二年前にカルバリーチャペル府中で講演をし、私たちの教会にもお招きした方です。最近は、キリシタンの迫害史の探索のため、二回、ハワイの日系の人々を招いて巡礼旅行を導きました。彼はラジオ番組を持っていますが、クリスチャンのテレビ番組に登場して、今、世界に蔓延している一つの流れを紹介しています。

それは「寛容」の定義、意味です。従来の「寛容」は、「意見が異なっている貴方を受け入れる」というものでした。同意できないことがあっても、礼節をもって対話することができます。異なる意見の持ち主を受け入れ、愛することができる。自分の信じていることを説得することはあり、相手もその人の信じていることを説得することはあっても、それで迫害をしたり、牢屋に入れるようなことはない、というものです。これが従来の寛容でした。 続きを読む 「寛容」という名の「非寛容」

クリスチャン・シオニズムに対する誤解

三月初めに、以下の会議の内容をオンラインで見ました。

Christ at the Checkpoint Conference 4

パレスチナ自治区における、福音派の聖書学校「ベツレヘム聖書大学」と関連の深い、パレスチナ人クリスチャンの主催の会議です。彼らの立場からのイスラエルとパレスチナの問題、そしてクリスチャンとしてのイニシアチブを提起している会議です。この会議、特に今回のは、クリスチャン・シオニストと呼ばれる人々から多くの批判を受けました。

その中で深い懸念を持っていたユダヤ人信者の神学者、伝道者である、ミカエル・ブラウン氏が、その主催者の一人、ムンター・アイザック氏にラジオ番組にて、率直に意見を交わしています。

Dr. Brown Interacts with a Palestinian Christian and Sets the Record Straight about Saul Becoming Paul

DrMLBrown
ミカエル・ブラウン博士

以下はフェイスブックで書いた投稿です。

ユダヤ人信者が、パレスチナ人の福音派の指導者と、先日行なわれた「検問所におけるキリスト」会議について、率直な意見を交わしています。

私は、このカンファレンスの内容には正直、非常に当惑しました。ミカエル・ブラウン博士は、明確に相手のムンター・アイザック博士に質問をしたことによって、またアイザックさんも冷静に返答していることによって、互いの違いがはっきりしたと思います。意見ははっきり違いながら、キリストにある兄弟であることを確認する、非常に大人の会話でした。

ムンター・アイザック博士
ムンター・アイザック博士

パレスチナ人クリスチャンの提起している、「クリスチャンのシオニズム」すなわち、神のユダヤ人に対する選びが今も有効であるという立場への疑問は、日本の教会の多くも共有しているのではないかと思います。

①ユダヤ人が土地に戻ってくる、国を建てるという預言について、パレスチナ人のクリスチャンは「それでは、ずっとそこに住んでいた私たちはどこに住めばよいのか。出ていけということか。」という問題について。 続きを読む クリスチャン・シオニズムに対する誤解

The Bible Project(聖書の説明アニメ集)

ものすごく、すばらしいサイトを見つけました。

The Bible Project(聖書の説明アニメ集)

Youtube動画集

とにかく、聖書を分かり易く、その全体を体系的に見ていこうと試みているものです。5分くらいのアニメーションで説明していますが、どれもこれも、非常にしっかりとした説明です。聖書の各巻の説明ビデオと、聖書全体に貫かれているテーマ(贖罪、メシヤ、契約、聖、御国の福音など)のビデオもあります。そして凄いのが、今、数多くの言語に翻訳中で、日本語訳のビデオもかなりあることです!(サイトには、この翻訳プロジェクトに費用がかかっているとのことで、支援を求めています。)

例:創世記の説明

ぜひご自身の学びのみならず、今、聖書を読んでいる方におすすめください。求道中の人、信仰を持ったばかりの人にも適切でしょう。

2016年2月イスラエル・ヨルダン旅行

先週、25日に無事にイスラエル・ヨルダン旅行から戻ってきました。とても恵まれた旅でした。旅行記を書き始めています。ぜひ読んでみてください。

イスラエル・ヨルダン旅行記

Machaerus
マケラス(バプテスマのヨハネが斬首されたヘロデ要塞、2月17日の旅から)