書評「キリスト教の“はじまり” 古代教会史入門」

 2018年にクリスチャン新聞で、吉田隆氏による「古代教会に学ぶ 異教社会のキリスト教」という連載記事があった時に、私は食い入るように読み始めました。

新連載「 古代教会に学ぶ 異教社会のキリスト教」第1回 “これからの日本の教会”のために

 本書は、その内容をまとめただけでなく、詳細に注釈や図解、写真、参照文献を加えて、本題の通り、「古代教会史入門」の体裁となっています。

本書サイト1(いのちのことば社)

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書評「信仰告白の重要性を現代に問う書

トルコ訪問は「ローマ」を辿ること

 ここに書かれている内容は、私がトルコ旅行に去年と今年に行き、強く感じたことでした。トルコにある遺跡を訪問するということは、実は、「ローマを訪ねる」ことです。

 私たちがローマというと、イタリアを思い出すでしょうが、そこは西ローマであり、330年に遷都し、1453年まで続いていた東ローマはトルコなのです。さらに、新約聖書の教会の誕生から間もなくして、使徒の働き13章以後の宣教の旅、使徒たちの手紙の宛先の多くもローマのアジア属州にあった町々であります。パウロ、ペテロ、そしてヨハネが活動をしていたところであり、その後の初代教父もこの地域の出身であり、云わば「教会を知ることができる」ということです。 続きを読む 書評「キリスト教の“はじまり” 古代教会史入門」

「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」キリスト者としての書評

 「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」に引き続き、江崎道朗さんによる本書ですが、こちらも、ぐいぐいと入っていき、一気に読み終えることができました。こちらは、ますます自分の抱いていた疑問に対して、まっすぐに答える、いわゆる情報史と呼んだらよいのでしょうか、ソ連やアメリカ共産党の影響力工作から見た、日米対立の背景を詳細に描いています。

アメリカがスターリンと共闘していたという矛盾

 私には、アメリカ人の友人ががたくさんいます。ある時、日本に訪問した友人の牧師と街中を歩いてきた時、彼が日本共産党の街宣車を見て、「ええっ、日本には共産党があるの?」と驚いていました。それで私は笑いながら、「戦時中は、我が国に、貴方の国は共産主義者と一緒に戦っていましたからね。」と答えると、苦笑いをしながら「その通りだ」と言っていました。

 アメリカの庶民の多くは根っからの反共です。私の友人たちの多くが福音派の信仰を持ち、かつ政治的に保守的な人が多いです。けれどもかつて、なんとスターリンの支配するソ連と連携し、日本と戦いました。私はそのこと自体が、潜在的に信じがたいものとして、教科書の近代史を読んでいたものです。そして戦後間もなくして、急旋回して、今度は対ソ連、対中国の防波堤として、日本に自衛隊や日米安保の圧力をかけて来るという現代史は、これまた信じがたいものでした。これが同じアメリカなのか?と思ったものです。 続きを読む 「アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄」キリスト者としての書評

「私は、旧約聖書があるからキリスト者なのです。」

ジョン・マッカーサー牧師が保守論客ベン・シャピロ氏の番組で福音を語る(47:22から)

ベン・シャピロという、アメリカでは政治保守派の若手の論客としてよく知られた人がいます。彼は、The Daily Wireの編集長をしています。彼のもう一つの側面は、ユダヤ教正統派ということです。保守論客でユダヤ教徒で有名なのは、Prager Universityデニス・プレーガー氏です(ある動画を日本語で紹紹介)。お二人にとても好感を持てるのは、米国が確かにユダヤ・キリスト教の伝統と価値観に基づいている国であるとして受け入れており、福音派教会に対して、一定の尊敬を持っていることです。

 しばしば、ユダヤ人たちの間に、過去のキリスト教の反ユダヤ主義の歴史があり、今も悲しいことに厳然として存在していますから、「イエス」や「キリスト教」の話をすれば、「あなたはそれを信じる自由があるが、ユダヤ人には関係がない」として抵抗します。しかし福音派の人たちは、「イエスを信じなくとも、あなたは神のかたちに造られた尊い、愛された存在ですよ」という深い確信を持っています。お二人はどちらもそのことを知っています。信じなかったら、あなたには価値がないかのように決してみなさないことを、お二人はご存知です。(関連ブログ記事続きを読む 「私は、旧約聖書があるからキリスト者なのです。」

天皇の即位礼とキリスト者の姿勢

 今年、2019年は、元号が平成から令和へと替わり、国全体が少し和み、喜び、慰めを受けているような感じがします。素直に、そのことに私個人も喜んでいます。

 そして、皇位継承のための儀式がこんなにも数多く、詳細で、期間をかけるものなのか、そして盛大なものなのか、ということに改めて驚いています。また、昭和から平成に移行した時に比べると、平成から令和に移った今回のほうが、もっと和やかで、落ち着いており、素直に国民が喜んでいるような気がしています。世情が暗いこと、また災難が多いことを思うと、一時の和みです。

 キリスト者として、一連の皇位継承の儀式をどうみているのか?を私個人の想いを本記事に書かせていただきます。

「王を敬え」という命令

 キリスト者として、素直に、喜び申し上げたい思いを持っています。私は、以下のキリスト者オピニオン・サイトの論説委員の一人でもありますが、同じ思いを共有しています。

「今上天皇陛下の「即位礼正殿の儀」をお祝いし、心よりお喜び申し上げます。」

 聖書的にも、歴史的にも、そして世界的には、教会は、上に立てられた権威を尊敬してきました。 続きを読む 天皇の即位礼とキリスト者の姿勢

【2020年 東アジア青年キリスト者大会】申込み受付中!

来年2月、第十回目の東アジア青年キリスト者大会が千葉県で開催されます。日中韓の三つの言語で、主を礼拝し、祈り、交わり、共に行動する、またとない機会です。登録は下のサイトからできます。

ThreeTogether.org

直リンク

案内チラシのダウンロード(表)

案内チラシのダウンロード(裏)

 

過去の大会の記事はたくさんあります、検索「東アジア青年キリスト者大会」で!

クリスチャンのビジネス・パーソンの皆様へ 「ビズテリアの懇親会」

ビズテリア・クラブによる、経営者向けの意見交換会、政策提言など、様々な催しに関わってから、一年以上が経ちました。(関連記事)その間に、数多くの、主にスタート・アップ関連の経営者の方々にお会いし、また何人かの政治家にお会いすることができました。その都度、牧師として、イスラエルや世界情勢を通して、聖書の話やキリストの福音のことも聞いていただいています。

先々月から、月例(第三週の木曜日)の懇親会とその前の分科会に関わらせていただいています。第一回目は、西岡力先生がスペシャル・ゲストであり、二回目は、中山泰秀議員と評論家の江崎道朗さんがスピーチしてくださいました。

続きを読む クリスチャンのビジネス・パーソンの皆様へ 「ビズテリアの懇親会」

「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」~ キリスト者としての書評

コミンテルンの世界戦略から、日本の敗戦を眺める

 著者、江崎道朗さんは、ビズテリアの懇親会で、二回お目にかかり、二回目はお話しも少しさせていただきました。著作の一つを今、読んでいます。ある事がとても気になっていて、江崎さんであれば詳しいだろうと思って尋ねたところ、短い言葉でしたが、とても的確な回答を下さいました。

 それは、「キリスト教は共産主義に騙されやすいか?」という質問で、答えは、大きくうなずく「はい」でした。共産主義者は、非常に高度な戦略を持っており、賢く、反対の思想を持っている人たちでも抱き込む術を知っていると思っていたのですが、その通りだと断言してくださいました。キリスト教の人たちは善意があるので、とくに騙されやすい、とのことでした。ある神学者が語った、「地獄への道は善意で舗装されている」の言葉を思い出しました。

 本書ですが、読み始めたら、ぐいぐい入ります! 続きを読む 「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」~ キリスト者としての書評

10月に大阪と東京でSALTY第1回公開講演会

待ちに待った、キリスト者オピニオンサイト「ソルティー」の第一回公開講演会が開かれます。キリスト者が、社会問題に対してどのような証しを立てていくべきか、とても大切な視点を三人の方がお語りになります。

10月に大阪と東京で SALTY第1回公開講演会 を開催しますキリスト者と政治


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三人の方ですが、私はそれぞれとても尊敬している方々です。

西岡力さんについて: 続きを読む 10月に大阪と東京でSALTY第1回公開講演会

日韓関係改善のための祈りの手引き

この記事を見て、初め、涙が目線に集まって来たのを感じました。

日韓関係改善のための祈りの手引き 妹尾光樹(純福音成田教会担任牧師)

成田純福音教会の妹尾光樹牧師とは、去年2月の東アジア青年キリスト者大会にて、成田山の説明を依頼させていただいた時に初めてお会いして、フェイスブック上でいろいろと意見交換や交わりをさせていただいていました。

私が、激しく対立する日韓関係をフェイスブックで投稿した時に、即座に反応され、コメントを残されました。うめきと叫びに近いお言葉でした、日韓のキリスト者の交わりに悪影響が出ないことを心配する声でした。 続きを読む 日韓関係改善のための祈りの手引き

終わりの日に向った一致

「マラナサ」(主よ、来てください)は、一つとされた者たちの希望

 8月12-14日に参加した、マラナサ・バイブル・フェローシップのキャンプの報告です。

2019年8月12~14日 富士山麓山の村

そのテーマである「キリストの再臨」から、以下のことをある牧者が語ってくださいました。

 エペソ5章21節以降から、再臨のキリストを待つ教会を、花婿を待つ花嫁の姿として描かれているところから話しました。そこで大事なのは、ここの「花嫁」というのが、私たちは自分個人に当てはめて、自分個人が来るキリストを恋い慕い、花嫁のように待つことで適用しますが、文脈としては、キリストにあって一体となった教会として待ち望んでいるということです。 続きを読む 終わりの日に向った一致