第五回東アジア青年キリスト者大会の報告

2月4‐7日に、第五回の東アジア青年キリスト者大会が韓国済州島で催されました。私は第二回から参加していますが、回数を経るごとに、中身が福音的、恵み中心になっています。主に感謝です。受けた恵みがあまりにも多く、豊かだったので、どこから言葉にして話せばよいのかが分かりません。いくつかかいつまんで話してみたいと思います。大会スケジュール

一つは「講師陣」です。三国の代表者である牧師が説教壇に立つことができました。中国の牧師さんが最後まで見つからず祈っておりましたが、日本在住のシンガポール人の兄弟が御言葉を取り次いでくださいました。

二つ目は「通訳」です。日本語と韓国語は、去年に引き続き、綾瀬東部教会の牧師、魯学煕(ノ・ハッキ)先生と、石原悠冴伝道師がフル回転でご奉仕してくださいました。私はお二人に霊的にも、技術的にも深い信頼を寄せています。私の説教も他の人のも、その内容を正確に把握し、通訳しておられました。そして中国語と韓国語あるいは日本語は、日暮里の教会の朴樹民先生の他、一人の中国朝鮮族の方がしてくださいました。札幌でも奉仕しておられたこともあり、日本語もお上手です。後で中国人の宣教師にその質を尋ねたところ、「ものすごく高い」とのことでした!

そして三つ目は「交わり」です。日本からは田島実牧師(神の家族主イエス・キリスト教会)もいらしてデボーションを受け持ってくださいましたし、その他の牧師や宣教師、またKGKの総副主事の大嶋重徳さんともたくさんお話しすることができ、感謝です。そして韓国からの講師の方々とも内容の濃い会話ができましたし、理解し合えるのに数年かかってもおかしくないような内容を、ほんの数分で話し合えるというような、濃密な感触を受けました。そして香港出身のご夫婦が参加してくださったことにより、次回、香港で開催するかもしれないという可能性を探ることができました。交わりができたことを感謝します。

そして、参加した若者たちも霊的に整えられていました。へりくだりがあり、相手を尊重する平和な心を持っていました。韓国の若い子たちとは、私が韓国語で話て戯れていると、「あなたは、韓国人ですか?」と冗談を言ってくれて、私は嬉しかったです。一つになれているな、と思いました。そして北朝鮮出身の姉妹が、一人、再び来てくださいました。前回はまだ信仰がはっきりしていなかったのではないかと思いますが、今回、最後の日に泣きながら分かち合ってくださった、神との出会いの証しは、あまり感情的にならないようにしている私も、腹の底から涙が湧き起りそうになりました。

そして今回は、何よりも、中国本土の家の教会から、たくさんの兄弟姉妹が来てくれました。本当にハレルヤ!!です。済州島は、ビザ無しで多くの国の人が入国ができる特別な場所なので、こういう大会には最適です。今回の大会は気をつけて、彼らの顔が公に出ないよう、工夫を凝らすこともできました。彼らも感動して、数多くの恵みの証しをしてくれました。

交わりの一貫として、中国式の水餃子をみなで作りました。

四つ目は、「講義や説教の内容」です。一つのテーマが聖霊によって与えられた感じがします。それは「平和を妨げるもの」ということです。打ち合わせたわけでもないのにメッセージが一貫していて、平和を妨げているものは何か、それを取り除くため にどうすればいいかということが、全体として語られていました。怒りや憎しみ、傷、意見の対立や壁、そうったものを乗り越えて、あきらめないという主題があったように思われます。(ページ一番下に、録音したメッセージをリンクします。)

五つ目は、「済州島四・三事件」の平和祈念館の見学です。第三回目にも私は行ったことがありますが、驚くべき事実を今回は聞きました。その虐殺した右翼青年団はキリスト教関係者であったという話です。これは案内した方々に直接、私たちの仲間何人かが質問して聞きだしたことですが、左派系韓国紙「ハンギョレ新聞」にも確認できることです。かつ、その団体は今も存続しているという、現在進行形の事実に直面してしまったことでした。

その残虐な虐殺を、半島の北部で、共産主義者に土地や財産が没収されてしまった一部のキリスト者が、済州島にも「信仰の自由を守るため」ということで行ってしまったということでした。これでは十字軍と変わらないではないか?と思いました。しかし歴史上、北朝鮮の創始者である金日成の家族は熱心なキリスト者であったことも考えると、右と左のイデオロギーの戦争の中でキリスト教関係者が両側にいたという、どうしても考えたくない、けれども現として存在している衝突に取り組まなければいけなくなりました。

そして同日には、世界遺産にもなっている城山日出峰に登りました。

そして六つ目「賛美と祈り」です。これが大会の醍醐味と言っても過言ではありません。賛美と祈りは、霊によるものですから、言語を超えます。キリスト者にある民族や国を超えた一致、天の前味をしっかりと楽しむことのできる時間です。賛美においては、「神の国と神の義をまず求めなさい」を歌います。

三か国語で同時に歌います、そして「ハレルヤ」という繰り返しの時は同一になれます。

そして祈りについて、大会では去年にも増して力を入れました。晩の礼拝と祈祷会の時間を、四日は中国、五日は日本、そして六日は韓国としました。それぞれの国の説教者の説教の後、他の人が自国の祈祷課題を説明します。それから祈り会へとまた他の人が導きます。

初めは、日中韓の三人が集まり、手をつないで祈ります。ちょうどパンフレットの表紙にあるようにです。
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prayerそれから、それぞれの国からの参加者を囲み、手を上げて祈るその腕を支えて祈りました。これは、アマレク人との戦いでモーセが手を上げているところ、その手を支えるアロンとフルがいた、あの霊の戦いを表しています。それぞれの国に戻り、神に遣わされる兄弟姉妹、その国のために執り成す彼らを、他の二国が後ろでその腕を支えて祈り、遣わされる彼らを霊的に支えるのです。

以上ですが、私はこれは一つの霊的リバイバルではないか、と感じました。三国の間の対立や冷却の溝が深くなっている状況の中で、各国のキリスト者が、神の御国に対する飢え渇きが与えられ、平穏時よりもさらに深い平和を享受できたのではないかと思います。暗き世になればなるほど、神は今までにもまして、深い、決して引き裂けない堅い結びつきを、三国のキリスト者の間に与えられます。

【クリスチャン新聞速報】
青年/東アジア青年キリスト者大会開催 ゆるしと平和つくり 日中韓で祈り合う

青年/国を超えたコイノニアを 東アジア青年キリスト者大会3日目

青年/ キリストにある三国の友情を勧める 東アジア青年キリスト者大会最終日

【大会説教メッセージ】

4日開会礼拝:「怒りに直面する神の民」イザヤ19章23‐25節 明石清正

4日晩礼拝:「その石を取り除けなさい」ヨハネ11章39節 蘇才富(Su Cai Fu)

5日早朝:「御国がこの地に来るために」ネヘミヤ4章15‐20節 永井敏夫

5日講義1:”Ad Fontes“ 金起賢(キム・ギヒョン)

5日講義2:「東アジア宣教運動の歴史と展望」ダニエル・アン(Daniel S. H Ahn)

5日講義3:「対立の転換」朴志浩(パク・ジホ)

5日晩礼拝:「平和の造り手として」マタイ5章1‐12節 大嶋重徳

6日早朝:「ただイエス」使徒4章12節 魯学煕(ノ・ハクキ)

6日晩礼拝:「コイノニア共同体を夢見て」1ヨハネ1章1‐4節 金ドンチュン

7日早朝:「祝福の原点」創世記1章28節 田島実

7日閉会礼拝:「三国の青年キリスト者の友情」ヨハネ15章12‐16節 李勝蔵(イ・スンジャン)

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