イスラエル旅行記その7 − ヨルダン川でのバプテスマ
イエス様も洗礼を受けられたヨルダン川。それと同じところでバプテスマを受けることができるなんて、クリスチャンとしては心が動く。主人も記念になるからやってみたらどうかと言うし、う〜んと考え込んだ。
普通バプテスマは1回で十分なものを、私の場合はいろいろな事情から既に3回も受けている。無論、3回も4回もいっしょじゃないか、記念になるんだから受ければいいんじゃないか、という考えもあるだろうが、そもそもバプテスマとは何なのかと更に考え込んでしまった。
あれこれ考えているときに、ガイドが「ヨルダン川でのバプテスマが、認定書付で、たったの9ドル。」と掛け声をかける。バプテスマの叩き売りは、ないだろう。これで、やめようと決心できた。主人も以前イスラエル旅行をした際にヨルダン川でバプテスマを受けたことがある口だ。別にここでバプテスマを受けた人、またそうしたい人に後ろ指さすつもりは一切ない。しかし、自分の心の中で、バプテスマの本当の意味は何なのかを考えると、記念だからと気軽に受けるべきものなのかと、良心が痛んだ。もう少し、神聖なものじゃないのかと。
更に、現場に着いて、9ドル払って、バプテスマパック(ビニール袋にタオルと洗礼のときに着る白いガウン、ヘアブラシが入っている)を受け取った人を見て、何これ?ヘアブラシまで必要なのかな?
バプテスマを受ける場所へは無料で行けるので見学したが、ちょうど午後2時を過ぎて、暑さもピークに達した時。日射病になるかと思い、一人目の洗礼者が終わったときに、併設の建物の中に逃げ込んだ。
するとそこはお土産を売る売店になっていた。涼みながら、手持ち無沙汰なのでぶらぶらお土産を見てまわる。どれもこれもこれまで見た土産物屋よりはずっと高い値段設定。ツアーのメンバーの中にもあまりの高さに憤慨する人たちがちらほら。
そこで主人と日本語で話していたら、日本人の店員が現れた。とても感じの良い方で、これなんかどうか、あれなんかどうかといろいろ勧めてくださる。お茶の試飲までさせていただいたのだが、「すいません、高いので、ちょっと。」「いや、これはいらないので。」という答えしか言えなかった。ちなみに、ここにはヨルダン川の水まで売っている。
バプテスマが商売になるなんて・・・。完全に興ざめしてしまった。
バプテスマを受けたい人が大勢いたので、待てども、待てどもなかなか終わらない。そのうちトイレに行きたくなってきた。トイレはどこですか、と尋ねると、外をさされた。つまりは、バプテスマを受ける人が着替えているのと同じトイレを使えというわけだ。なんとなく嫌な予感がしたのだが、やっぱり。入り口は、遊園地の入り口のように、一人ずつ金属棒を押しながら入っていく仕掛けになっていて、特別なコイン(メダル)を使わないと入れないようになっている。つまりは、有料ってこと。あほらしくなって、ホテルに帰るまで待つことに。だって、ホテルまでは5分10分しかかからないのだから。
バプテスマ式の場所での体験は、今回のイスラエル旅行の中で、一番良くない体験だった。