Inside the Revolution: How the Followers of Jihad, Jefferson & Jesus Are Battling to Dominate(革命の内幕: ジハード、ジェファーソン、イエスの追従者が、支配権を取るべくいかに戦っているか)
これは、ジョエル・ローゼンバーグ氏による、ノンフィクション第二弾です。第一弾は、”Epicenter”ですが、これは、きよきよの部屋の「聖書の中のイラク」にて少し説明しています。
この二冊は、自分のこれからの生き方に影響を与えたと言っていいぐらいの内容でした。聖書預言が単に興味本位の対象ではなく、宣教への熱い原動力となることを教えてくれました。
「革命の内幕」とは、イスラム圏で起こっていることについての革命です。このブログでも、イスラム主義について言及しましたが、まず「ジハード(聖戦)」による革命を考える人々がいます。ビンラディンからイランのアフマディネジャド大統領までの幅広いイスラム過激派の歴史、意図、そして神学を取り扱っています。
この最後の神学の部分が非常に重要で、イスラムのメシヤであるマーディの到来を早め、それを対イスラエル、対アメリカに対する核攻撃で行なうという信念を今のイラン指導陣は強固に持っています。
ここまでは、他の多くの書籍も扱っているでしょう。日本語なら藤原和彦氏による著作をお勧めします。
けれども、この本で特徴的なのは穏健派イスラム革命をも取り上げていることです。アフガニスタン、イラク、パキスタンのブッド女史、トルコ、ヨルダン、そしてモロッコを挙げています。彼らはトーマス・ジェファーソン主義、つまり人権・民主主義・自由経済を強固に信じています。
そして彼らは過激派と同じように、いや彼らは彼ら以上にコーランを信じ、熱心なイスラム教徒であることは特筆すべきです。彼らはその信仰のゆえ過激派の行っていることを激しく非難し、対抗しています。
このことも、書籍を探そうと思えば見つかるかもしれません。
けれども、第三の革命グループは、この本にしかないでしょう。それは「リバイバリスト(霊的復興派)」の存在です。彼らは、イスラムの過激化が近年進行すると共に、表に出ない形で、かつ、とてつもない勢いで、終末の様相を呈しながら、イエス・キリストを自分の主として従う人々が起こされている、という事実です。
過激派も過激ですが霊的復興派も過激です。宣教師が福音を伝えることもできない地で、夢と幻でイエス・キリストに出会い、完全な回心、徹底的な献身を行います。ヨエル書の終わりの日における、御霊による夢と幻の預言、そして使徒パウロが、復活のイエス・キリストの直接出会って、迫害者から福音宣教者に劇的に変わったのと同じ経験を経ているのです。
特にイランでのリバイバルは驚愕します。復興が始まったのは、何と1979年のイラン革命が始まった後とのこと。イスラム主義国の台頭によって、これまで何となくイスラムを信じていた人が、本当のイスラムの顔が何であるかを知らされ、それでイスラムに対する幻滅、失望が始まったそうです。その後、霊的空洞、霊的飢え渇きが激しくなり、今、どんどんイエス様を信じています。
ある牧師は、「私たちはイエスを伝えに出ていくのではなく、彼らが私たちの所に来ています。」と言います。病気にかかって病院に行きました。看護婦は狂信的ムスリムであり、彼が牧師だということで、待合室で2時間も待たせる嫌がらせをしました。牧師は彼女に「後悔するよ」と警告したそうです。
「牧師さんですね」という他の看護士の声を聞いた、待合室にいた何人かの人々は、「あなたは本当に牧師なのか?イエスについて教えてくれ。」とせがみます。その場で福音を伝え、彼らはイエス様を信じました。そして牧師はその看護婦に、「ほら、後悔したでしょ。」と言いました。それ以来、その看護婦は彼を待たせることはなくなったそうです!
ある女性の伝道者は、一日に15人の人をキリストに導いているとのこと。
私は、これらの話を聞いて、黙示録を思い出しました。地上には艱難があるけれども、同時に、救いの完成へ至るべく、主が福音をこれまでにないとてつもない速さで伝えられます。14章には、天使が永遠の福音を伝えている姿も出てきます。
そして福音宣教の見方も変わりました。社会的に不安が多くなればなるほど、世が暗くなればなるほど、同時に福音の光も広がっているのです。そして、マスコミにも人々の注目にも触れない形で、静かに進んでいきます。
日本のキリスト教の宣教は主にアメリカから、そして近年は韓国からのものが多いです。その方法は、集会など人々の目に触れるような形で、数が多ければそれだけ良いという形で、伝道プログラム、弟子訓練プログラムなど、プログラムを通して推進させていきます。そしてなかなか成果が上がらず、「やはり日本は駄目だ。ここは宣教の墓場だ。」となるのです。
私は日本はこれから、社会も、いわゆるキリスト教界さえも何も変わっていないと思われる状況の中で、実は確実に人々が救われ、はっきりとした回心を経験し、キリストを主とし献身する人が起こされていく時代になっていくと思います。中国で文革の後、牧師や伝道師が投獄されていた中で信者がかえって増えていたこと、また日本で長い鎖国の時代の後キリシタンの末裔が出てきたことなどを見ても分かるとおり、この世の暗さは神の光が輝く時なのです。
必要なのは信仰です。神が上から力の御霊を注いでくださることを信じる信仰です。