イスラエル・ヨルダン旅行記 「はじめに」 & 5月22日
1.はじめに
2.旅行準備
3.イスラエル入国
1.はじめに
今回でイスラエルへは三回目の旅行となります。しかも前回は二年前のことで、日がそれほど経っていません。なぜ、この旅行に行くことを思い立ったのか?それはひとえに、将来のイスラエル旅行に備えたいと思ったからです。今度は、ロゴス・ミニストリーとしてイスラエル旅行を行なうことができればという思いが、2008年のイスラエル旅行の時に与えられました。
そのためには、私自身がもっと聖地を把握しなければいけません。研修旅行のようなもの、牧師や奉仕者のためのような旅行が必要でした。いろいろインターネットで調べましたが、結局至りついたのは、以前から知っていたアリエル・ミニストリーのアーノルド・フルクテンバウム博士によるものでした。
Eretz Israel 2010 - Historical and Geographical Study Tour
(イスラエルの地2010年 − 歴史的・地形的研修旅行)
私がアメリカにいて初めに受けた授業の一つが、デービッド・ホーキング師による神学の授業でした。その授業に使われた教科書がアーノルドの著作"The Footstep of the Messiah(メシヤの足跡)"と"Israelology(イスラエル学)"でした。聖書の学徒として、終末に関する体系的な知識、また聖書全体に貫くイスラエルを軸とした神のご計画を教えてくれたのは、この二冊だと言っても過言ではありません。
日本に戻って、ハーベスト・タイムの中川健一師に話す機会が会った時、「このような優れた学者がいるのですが。」と紹介しようと思ったら、「これから彼を日本に招きますよ。」という返答でした。それ以降、彼は毎年、来日しているようです。現に、このイスラエル旅行の直前はアーノルドはハーベスト・タイム主催のセミナー講師として日本にいました。
2.旅行準備
上の、研修旅行のサイトには旅行の特質について説明があります。
目的: 「その地がどんなであるか・・・調べなさい。(民数13:18)」とモーセがイスラエルのスパイ12人に行ったことを再現することであり、第一に、聖書の出来事と主題に関するイスラエルの地形を調べることによって、第二に、ユダヤ史ことに現代イスラエル史を学ぶことによって、旧約聖書と福音書への理解に光を当てることである。
そして、あらましとして、「この旅行は25名に限られておりワゴン車を利用。旅行の間、一日の終わりに一時間の講義あり。そして翌日のための宿題も出す。この旅行は実際に『研修(Study)』であり、あなたの勉強がこの旅の肝要な部分となる。ゆえに観光だけを目的としている人には、この旅行はお奨めできない。」
私は、この徹底ぶりはうれしくもあり、また恐ろしくもありました。「はたして、ついて行けるのだろうか・・・。」という不安が頭をよぎりました。現に、「旅行の準備のために、以下の本を読む必要あり」として、14冊もの書籍を列挙しているのです。しかも、聖書については、「次の箇所に出てくる地名の全てに下線を引くこと。創世記12−38章、ヨシュア記−ネヘミヤ記、マタイ・マルコ・ルカ伝、使徒1−10章」とあるのです!・・・私は英語読解の不足ではないかと目を疑いましたが、確かにall geographical namesとあります。(汗だらだら)
全部はできなくてもなるべく消化しようと思い、さっそく09年1月に渡米したとき本を買って読み始めました。現代イスラエル国の誕生を伝える「おおエルサレム!」、そしてエルサレムがイスラエルの主権下に入った六日戦争を伝える"Six Days of War"、19世紀後半のユダヤ人帰還からイスラエル六十周年目までのイスラエル史を網羅する「イスラエル全史」など、今、実現している聖書預言の背景としてかけがえのない知識を得ることができました。
聖書の地形についての本でヨハナン・アハロニ博士による二冊ありますが、あまりにも難しくて、途中で断念!でも、その生かじりの知識があったおかげでアーノルドの講義を聞くのに助けになりました。(彼に質問したら、彼が若い頃エルサレムにいたときアハロニ博士の指導を受けていたそうです。)
そして旅行の直前に、アリエルの事務所から旅行必携として三冊の本が送られてきました。とにかく、波が岸に押し寄せるように、これでもかこれでもかと知識の洪水に襲われました。
その過程で非常に役に立ったのがLogos Bible Softwareです。定評のバイブル・ソフトなのですが、その中に追加としてAriel Ministries Messianic Collection (11 Vols.)を購入することができます。アーノルドの著作と聖書講義の原稿が数多くあります。その中に、上の推薦図書の何冊かがあり、そして旅行必携のA Study Guide of Israel: Historical and Geograhicalが搭載されています。引照聖書箇所については、そこにカーソルを当てるとポップアップで出てきますので大変重宝しました。
私は、このソフトが入っているノートブックと、デジタルカメラ、そしてSANYOのICレコーダーを三種の神器(?)としてイスラエルに向かいました。
あと、旅行に行く人へのアドバイスですが、荷物はなるべく少なくしましょう。移動の時に負担が軽減します。場所を取るのは衣服ですが、それを少なくするために私は洗剤と、小さな物干しとハンガーを持って行きました。実際バスタブで四回ほど洗濯をしました。あと、水筒類は普通のペットボトル(500ml以下)をお勧めします。軽くて便利です。そして売店で大きなペットボトルが束になって売っているのが安く、それを数人で分け合い、その水で補給すればいいです。
そして08年の旅行記に書きましたが、トラベラーチェック類よりも現金が一番です。トラベラーチェックを受け取ってくれる所は、観光客相手のお店だけです。そして旅行していますから、郵便局(イスラエルはトラベラーチェックの換金場所は郵便局です)に行く暇もありません。盗難が心配だと思いますが、私は財布だけでなく、腰に巻くものを別に二つ用意して分割させました。また、多くのホテルにはセーフティー・ボックスがありますから安心です。そして、両替はできれば両替商でしましょう。換算率がいいです。(空港での両替は小額にしておきましょう。)もちろん日本円も受け付けます。エルサレムの旧市街やベン・イェフダ通りなどにたくさんあります。時間がなければ、仕方がないのでホテルでしましょう。
3.イスラエルへ出発
実際の旅行はアメリカから来るグループが5月24日に到着するので5月25日からです。私は大韓航空を利用したため22日の夜に到着しました。
2008年9月から、大韓航空はソウルとテルアビブの直行便を再開しました。おそらくはイスラエル観光客の増加に合わせてのことだと思います。値段も9万円(税金などを合わせると約11万円)であり、非常に経済的です。そして「成田−仁川」間は一日に四便出ていますから、乗換えが1−2時間のみで済みます。日本からイスラエルに行かれる方はまず大韓航空を調べることをお奨めします。
仁川国際空港で、日本から同じ便に乗ってきたイスラエル人ご夫婦に会いました。旦那さんが仕事の出張で何度か日本に訪れたことがあり、奥様が初めてとのこと。私が「イスラエルが大好きになったので、イスラエルに行きます。」と言ったら、お二人は「私たちも日本が大好きになったので、日本に行きました。」と答えました。イスラエル人の日本に対する印象は大方、良好です。
そして機内に乗り込んだら驚きました。08年のエジプト・カイロ便のように、ほとんど韓国人と日本人の乗客を予測していたのですが、今回は半分以上がイスラエル人です。機内放送も、韓国語と英語の他にヘブライ語があります。イスラエル人は、日本のみならず東アジアの国々に行くならば、大韓航空は利便性があるのでしょう。仁川国際空港のハブとしての力には驚かされます。
私は旅行必携の本のうち、機内で"The Historical and Geographical Maps of ISRAEL AND JORDAN"を読み始めました。この旅行のために書き下ろしたそうなのですが、聖書時代の歴史を初めから終末まですべて網羅した聖書地図です。旅行の仲間からも、「これを出版してはいかがですか。」という声がたくさん上がりました。主の恵みによって、機内ですべて読み終えることができました。
そして隣には、日本人の旅行客が座っていました。イランなどには行かれたことがおありで、古代の歴史に興味があるようです。伝道まではできませんでしたが、聖書の歴史性について、ユダヤ史の奇跡など説明することができました。
到着したのは、午後10時過ぎです。ベングリオン空港の移民局、税関もスムーズに通過し、到着ロビーを出て右に曲がると、すぐに乗り合いタクシーのネシェルが見つかりました。エルサレム行きはすぐに人が埋まります。値段は米15ドルです。無事に22,23日の夜宿泊する予定のAllenby B&Bに到着しました。08年にも利用した宿です。