エジプト旅行記その8 − トイレ事情

 アラブ式トイレが多いのは当然ではあるが、高級ホテルやハイソな博物館でもなければ、清潔なトイレはあまり期待できない。さらに水が流れないトイレや手を洗う水がないトイレは本当に困ってしまう。駅前でサラ金や英会話学校、パチスロのティッシュをたくさん集めて行こう。手を洗う水がない場合を想定して、ウエットティッシュも必携。
 トイレが有料か無料かについては、本当は無料なのに、金をせびるやからがいるだけなのではないかというのが正直な感想。高級ホテルに金をせびるやからがいないのは、ホテルがそのような人間がトイレで集金するのを許さないからではないだろうか。今回行った博物館でも集金をする人はいなかった。トイレの集金人に最初に出くわしたのは、長距離バスの休憩所に使われた店のトイレ。有無を言わさず集める人がいる場合と、アバウト的に集めている人がいる場合があったし、また全く集めていない場合も。

 ちょっとびっくりは空港のトイレ。帰りのときに気づいたのだが、空港のターミナルロビーに入っても航空会社のカウンターがない。搭乗の2時間半ぐらい前にならないと航空会社のカウンターに行かせてもらえない。ガイドブックによれば、空港のトイレは有料ではないと書かれていたが・・・。実際は集金人がいた。航空会社のカウンターに行く前段階のターミナルロビーの中にはトイレがなかった。「トイレはどこ?」と尋ねると、外を指される。建物をいったん出て、ビルの端のほうまで行った所にあるので、外からアクセスしなければならないという不便を強いられる。集金の仕方も、男性用トイレに対する集金がない。ある程度の長さのトイレットペーパーを手に巻いて、かざして、いらんかな。持ってるから要らないと言っても、お金をせびってくる。これには無視を決め込んだ。ちょっとびっくりは、出国審査が終わってから、飛行機を待つ待合所のトイレでも、トイレットペーパーを手に巻いていらんかな、をしているおばさんがいたことだ。受け取ろうものなら、金をせびられるに違いないと、無視して用を足した。こちらの場合は、無視すればしつこく言ってはこなかったけれど。

 トイレも使えば、電気代もかかれば、水代もかかる。トイレットペーパーを備えればそれだけ費用がかかるわけだから、その代価を支払うことはやぶさかではない。イスラエルでのトイレはそういう意味で有料のところがかなりあった。しかし、エジプトの場合は、まるで物乞いの巣の感がある。それはいただけない気がした。

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