聖書 − 神さまからのラブレター

 私たちが教えていた英会話教室には、幼稚園や小学生の子供がやって来ました。そのときに最初に教えたのが、この歌です。

♪  これは聖書   ♯
神さまからの私たちへの
♭   お手紙です   ♪

 神さまは、私たちを愛してくださっているのを知らせるため、聖書をくださいました。聖書の最初の書物、創世記を開くと、神が初めに天と地を造られたと書かれています。天にあるもの、地にあるものを造られるごとに、「これは、すばらしい!(God saw that it was GOOD!)」と言われました。そして、人を造られ、その妻を造られました。神さまは、それらを見て、ほんとうに喜んでいました。
 この二人アダムとエバは、エデンの園というところで、何不自由なく暮らしていました。神さまと親しく語り合い、神さまとの間には、気まずいこと、恥ずかしくて隠しておかなければいけないことは、何もありませんでした。けれども、悪魔が蛇のかたちをして女をだましました。神さまに禁じられた木から実を取って食べてしまいました。アダムも食べましたが、そうしたら二人とも恥ずかしくなって、恐くなって、神さまの前に出ていくことができなくなりました。そして、二人はエデンの園から出て行かなければならなくなりました。
 神さまは、ご自分から離れてしまったアダムとエバ、そしてその子孫たちを、何とかしてご自分のもとに引き戻したい、そして再び彼らを幸せにしてあげたい、と願われました。これが聖書の話の始まりです。神から離れてしまった私たち人間を、どうにかして救ってあげたい、そして、また、幸せを、新しいいのちを与えてあげたいと願われて、数千年にも渡って、私たち人間の歴史の中に関わってくださいました。

ひとりの仲介者

 アダムとエバから生まれた子孫は、時を経て大勢になりました。けれども、その人たちは、「その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾く」ようになり(創世記6:5)、神さまは、人を造られたことを悔やんで、悲しまれました。これでは、人間は自分たちで滅びを招くだけです。だから消し去らなければいけません。けれども、神さまを信じていた人がいました。ノアです。神さまは、ノアに、箱舟を造りなさいと命じられました。そして、これから地上を襲う大洪水から、ノアとその家族、またあらゆる種類の動物を救われようとしました。
 洪水が起こり、生き残ったのは箱舟の中にいた人間と動物だけでした。洪水の水が引いて、地上がかわいた後に、神さまは、ノアにこう言われました。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうようなことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。(創世記8:21)」神さまは、人が悪いことを思い計ることを知りながら、もう裁くようなことはすまいと決められたのです。神さまは、代わりにその罰を受けるもの、犠牲のいけにえを用意することにしました。いけにえが血を流すことによって、人の罪を赦してあげようと思われたのです。神さまと人間との間に、仲介になるものを備えて、人をご自分のもとに引き戻そうとお考えになりました。

あなたのひとり子をささげなさい!

 ノアの子孫で、500年ぐらい後にアブラハムという人が生まれました。神さまは、アブラハムに、父の故郷を離れて、ご自分が示す土地に行きなさいと言われました。アブラハムがその通りにすると、神さまは、アブラハムを祝福し、数多くの子孫が生まれ、そのひとりの子孫から全世界の人々が祝福されることを約束されました。けれども、そう聞いてから30年近くたっても、自分の妻は子を宿しません。けれども、アブラハムは信じつづけました。すると、この老齢の男女の間に、ひとりの子が生まれたのです。名前をイサクと名づけました。
 彼が20歳ぐらいになったときのことです。神さまはアブラハムに、「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの山に行きなさい。そこで、…いけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。(創世記22:2)」と言われました。この子をとおして、子孫がふえるのに、なぜこの子を殺すように命じるのですか?あまりも、むごいではありませんか!と、言いたいところです。けれども、アブラハムはそう思いませんでした。彼は神を信じて、そのとおり行おうとしました。
 彼は火皿と刀を持ち、イサクにたきぎを持たせて、山を上っていきました。イサクは、「いけにえのための羊はどこにあるのですか。」と聞きました。父は答えました。「子よ。神ご自身がいけにえを備えてくださるのだ。(創世記22:8参照)」と言いました。父が刀を振り落とす直前に、天使がやってきて止めさせたので、イサクは殺されずにすみました。けれども、アブラハムは、「神ご自身が、いけにえの羊を備えてくださるのだ。」と言ったのです。

モリヤの山にて

 その約二千年後、アブラハムの子孫にイエスという方が生まれました。30歳ごろに、神の国を言い広め始めました。病気の人を直し、悪霊を人から追い出し、その他、数々の奇蹟を行なわれ、自分は、聖書に約束された救い主キリストであると公言されました。預言者ヨハネは、イエスをこう呼びました。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊(ヨハネ1:29)」罪を取り除く小羊とは、あの犠牲のいけにえのことです。

 イエスは、当時の宗教指導者のねたみを買いました。そして、ついに、彼らはイエスを死刑に定めました。彼らは、ローマ総督ピラトにイエスを十字架につけるように仕向け、はたしてそのとおりになったのです。そこは、アブラハムがかつてイサクをほふろうとしたモリヤの山、ゴルゴタという所です。イエスは、十字架の上で、神に向かって、「父よ。わが霊を、御手にゆだねます。(ルカ23:46)」と言い、息を引き取られました。

この方こそ、神のひとり子

 イエスは墓に葬られました。それから3日目に、イエスに従っていた女たちが墓にやって来ると、なんと墓の中にはイエスの遺体がありませんでした。そして、そこに天使がいて、こう言ったのです。「あなたがたは、なぜ生きている方を死人の中で捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。(ルカ24:5-6)」イエスは、復活されたのです!イエスはご自分の弟子たちにも現われ、そして、ご自分がよみがえったことを世界に伝えなさいと命じられました。

 アダムの罪によって、私たち人間は神から離れてしまいました。けれども、神は、私たちをご自分のものとしたいと願われています。そして、ご自分のひとり子を、犠牲のいけにえとし、神と人との仲介者にしてくださったのです。イエスは、こう言われました。

神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。
それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、
永遠のいのちを持つためである。(ヨハネ3:16)

 永遠のいのち…貴方もこのいのちを自分のものにすることができます。ただ心の中で信じて、口に出して、「神さま、あなたの子イエスさまを信じます。あなたが、私の罪のために、イエスさまを死にお渡しになったことを信じます。」とおっしゃってください。神さまは、必ず貴方を受け入れてくださいます。

…聖書は、実に、神さまからのラブレターです…


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